このページの要点
- 総会の招集の通知は、少なくとも5日前に、目的である事項を示して行う。通知していない事項は決議できない(地方自治法260条の15・260条の17、NPO法14条の4・14条の6)。
- 法人でも、通常の議案の定足数と議決の割合は、規約・定款・会則に自分で書く。規約・定款の変更と解散には条文の要件がある。
- 委任状と書面表決書は別のもの。議案ごとの賛否を書ける書面表決書にし、出席に数える範囲を会則で決める。
- 議事録には、出席状況の内訳、定足数との比較、議案ごとの採決の方法と結果、署名人を書き、訂正は版を分けて旧版も保管する。
結論:総会は「招集、成立、決議、記録」の四段で組み立て、法律が決めている部分と会則で決める部分を分ける
総会は、会員が会の大事なことを決める場です。会費の額、役員の選任、会則の変更、解散など、会の根幹にかかわる事柄は、総会の決議によって決まります。ところが、総会の運営で揉める会の多くは、次の四つのどこかが弱いことが原因です。
- 招集:いつ、誰が、どの方法で、何を議題として知らせたのか。
- 成立:会員の何人が出席し、そのうち何人が委任状や書面で参加したのか。
- 決議:議案ごとに、賛成・反対が何人で、どの要件を満たして可決したのか。
- 記録:誰が読んでも、その日の決議の内容と根拠が分かる議事録が残っているか。
この四段のうち、招集の通知の期限、議題の通知、表決権の平等、利害関係のある会員の表決の制限などは、認可地縁団体とNPO法人については法律が定めています。法人格のない同好会やサークルには法律の定めがないので、会則に書いたことが、そのまま運営のルールになります。だからこそ、法律の定めを物差しにして、自分の会の会則を点検するやり方が実用的です。団体の型の見分けかたは会則・規約・定款の違いと作り方を参照してください。
総会の流れ(招集から保管まで)
- 招集の決定役員会などで、総会の日時、場所、議題を決める。通常総会か臨時総会かを確認する。
- 招集の通知会則で定めた方法で、期限までに、議題を示して会員に通知する。委任状・書面表決書の様式も同封する。
- 出席・委任状の集計当日の出席者、委任状の提出者、書面表決者を数え、総会が成立するかを確かめる。
- 審議と採決議長が議案ごとに説明し、質疑を受け、採決する。賛否の数、または拍手や挙手による決議の方法を記録する。
- 議事録の作成議事の内容、出席者の数、決議の結果を議事録にまとめ、議長と署名人が署名または記名押印する。
- 保管・閲覧・届出議事録を決められた場所に保管し、会員の請求に応じて閲覧できるようにする。法人では所轄庁への届出に使う場合もある。
総会の種類と招集:通常総会、臨時総会、会員からの請求、通知の期限
総会には、毎年定期に開く通常総会と、必要に応じて開く臨時総会があります。認可地縁団体の代表者は、少なくとも毎年1回、通常総会を開かなければなりません(地方自治法260条の13)。NPO法人の理事も、少なくとも毎年1回、通常社員総会を開かなければなりません(特定非営利活動促進法14条の2)。法人格のない会でも、会則に「毎年○月に通常総会を開く」と書いておけば、決算や役員の選任の時期がそろいます。
臨時総会は、代表者や理事が必要と認めるときにいつでも招集できます(地方自治法260条の14第1項、NPO法14条の3第1項)。大切なのは、会員の側から招集を求める道です。総構成員(NPO法人では総社員)の5分の1以上から、総会の目的である事項を示して請求があったときは、代表者や理事は臨時総会を招集しなければなりません。ただし、5分の1の割合は、規約や定款で別の割合に変えることができます(地方自治法260条の14第2項、NPO法14条の3第2項)。この道が会則にないと、役員が総会を開かない会で、会員が動けなくなります。
招集の通知にも、守るべき線があります。総会の招集の通知は、総会の日より少なくとも5日前に、その会議の目的である事項を示し、規約や定款で定めた方法に従って行います(地方自治法260条の15、NPO法14条の4)。「5日前」は最低ラインで、実際には、委任状を集める時間や、参加の都合を調整する時間を考え、1週間から2週間前までに通知する会が多くあります。通知の方法(回覧、郵送、メール、LINEなど)は、規約や定款で定めた方法に従う必要があるので、会則に書いておきます。
総会の招集に関する条文の早見(現行の規定)
- 地方自治法260条の13認可地縁団体の代表者は、少なくとも毎年1回、通常総会を開かなければならない
- 地方自治法260条の14臨時総会の招集。総構成員の5分の1以上の請求があれば招集しなければならない(規約で割合を変更できる)
- 地方自治法260条の15総会の招集の通知は、少なくとも5日前に、目的である事項を示して、規約で定めた方法でする
- NPO法14条の2理事は、少なくとも毎年1回、通常社員総会を開かなければならない
- NPO法14条の3臨時社員総会の招集。総社員の5分の1以上の請求があれば招集しなければならない(定款で割合を変更できる)
- NPO法14条の4社員総会の招集の通知は、少なくとも5日前に、目的である事項を示して、定款で定めた方法でする
議題について、もう一つ重要な線があります。総会では、あらかじめ通知をした事項についてのみ、決議をすることができます。ただし、規約や定款に別段の定めがあるときは、この限りではありません(地方自治法260条の17、NPO法14条の6)。通知していない議題を、当日の発言をきっかけに決めてしまうと、決議の効力が問題になります。「その他」の議題で重要な事項を決めない、緊急に決める必要がある事柄は臨時総会を開く、と会則や運営ルールに書いておくと安全です。
書き方の例(一般的な例) 総会の招集
通知の期限
理由期限と方法を決めておくと、通知が遅れたことを理由に総会の有効性を争われるリスクが減る。法人では少なくとも5日前が条文の最低ラインである。
会員からの請求
理由役員が総会を開かない場合に、会員が動けるようにしておく。法人では5分の1が原則の割合である。
議題
理由通知していない事項は決議できないとされるため(地方自治法260条の17、NPO法14条の6)。
総会の成立と決議の要件:定足数と議決の割合を会則で決める
総会が成立するために必要な出席の数を、定足数と言います。決議が可決されるために必要な賛成の割合を、議決要件と呼びます。この二つは、会の意思決定の正しさを左右するため、会則で決めておく必要があります。
ここで押さえておきたいのは、認可地縁団体とNPO法人について、地方自治法とNPO法が定めている要件は、実はごく一部だということです。通常の議案(予算、事業計画、役員の選任など)について、出席の最低数や賛成の割合は、規約・定款・会則で決めます。法律が決めているのは、会の根幹にかかわる事柄だけです。
法律が要件を定めている主な決議
- 認可地縁団体の規約の変更総構成員の4分の3以上の同意と市町村長の認可(規約に別段の定めがあるときを除く)地方自治法260条の3
- 認可地縁団体の解散総構成員の4分の3以上の賛成(規約に別段の定めがあるときを除く)地方自治法260条の21
- NPO法人の定款の変更社員総数の2分の1以上が出席し、出席者の4分の3以上の多数(定款に特別の定めがあるときを除く)NPO法25条2項
- NPO法人の解散総社員の4分の3以上の賛成(定款に別段の定めがあるときを除く)NPO法31条の2
- 臨時総会の請求総構成員(総社員)の5分の1以上(規約・定款で変更可)地方自治法260条の14第2項/NPO法14条の3第2項
これ以外の議案の定足数と議決要件は、規約・定款・会則に自分たちで書きます。法人格のない会も同じです。
会則に書くときの考え方は、次のとおりです。まず、通常の議案は、出席者(委任状や書面表決を含む)の過半数で可決とする書き方が最も多く見られます。次に、会則の変更、会員の除名、役員の解任、解散のように重い議案は、出席者の3分の2以上、または4分の3以上など、通常より高い割合を設けます。そして、定足数は「会員の過半数の出席(委任状・書面表決を含む)で総会は成立する」と書くのが一般的です。定足数を決めないと、ごく少数の出席で重要事項が決まってしまいます。反対に、高すぎる定足数にすると、総会が成立せず、運営が止まります。
民法の組合の規定では、組合の業務は組合員の過半数をもって決定するとされ(民法670条1項)、会が組合と評価される場合の考え方の手がかりになります。ただし、会則で別の要件を定めているときは、会則の定めが優先して考えられます。
会則の例総会の成立と決議
- 総会は、会員総数の過半数の出席(委任状および書面による表決を含む。)がなければ成立しない。
- 総会の議事は、この会則に別段の定めがある場合を除き、出席した会員(委任状および書面による表決を含む。)の過半数をもって決し、可否同数のときは議長の決するところによる。
- 次の事項は、出席した会員(前項と同じ。)の○分の○以上の賛成がなければ決議することができない。①会則の変更。②会員の除名。③役員の解任。④会の解散。
- 総会に出席できない会員は、あらかじめ通知された議案について、書面または代理人によって表決することができる。
割合と日数は「○」と伏せています。「議長の決するところによる」は、可否同数のときの取扱いの一例で、議長に決定権を与えない書き方もあります。
書き方の例(一般的な例) 定足数と議決要件
定足数
理由少数の出席で重要事項が決まることを防ぐ。定足数の充足は議事録に書いておく。
重い議案
理由会の根幹にかかわる事項を少数の差で決めると、決議後に会が割れやすい。
可否同数
理由同数のときの取扱いを決めておけば、議事が止まらない。
表決権・委任状・書面表決:欠席する会員の意思を、どう数えるか
総会に出席できない会員の意思を、どう扱うかは、成立の人数と決議の結果を左右するため、揉めやすい場面です。条文の枠組みは次のとおりです。
- 表決権は平等:各構成員(社員)の表決権は平等とされます(地方自治法260条の18第1項、NPO法14条の7第1項)。
- 書面または代理人による表決:総会に出席しない構成員は、書面で、または代理人によって表決ができます(地方自治法260条の18第2項、NPO法14条の7第2項)。
- 電磁的方法による表決:書面による表決に代えて、電磁的方法(電子メールやウェブの投票など、情報通信の技術を利用する方法で、総務省令または内閣府令で定めるもの)による表決ができます。認可地縁団体では規約または総会の決議により、NPO法人では定款で定めるところによります(地方自治法260条の18第3項、NPO法14条の7第3項)。
- 別段の定め:以上の規定は、規約や定款に別段の定めがある場合には適用されません(地方自治法260条の18第4項、NPO法14条の7第4項)。
- 利害関係のある構成員は表決できない:団体と特定の構成員との関係について議決をする場合には、その構成員は表決権を有しません(地方自治法260条の19、NPO法14条の8)。
委任状と書面表決は、似ていますが違います。委任状は、欠席する会員が、別の人(代理人)に自分の表決を委ねる書面です。書面表決書は、欠席する会員が、議案ごとの賛否を自分で記入して提出する書面です。委任状には「議長に一任する」という書き方がよく見られますが、議案の内容が総会の当日に変わっても、議長が自由に賛否を決められることになるため、会員の意思が反映されにくいという問題があります。議案が事前に通知されている総会では、議案ごとの賛否を記入できる書面表決書の形にして、委任する場合は代理人の氏名を書いてもらう形にすると、後から確かめやすくなります。
委任状・書面表決書に入れる項目の確認リスト
- 総会の日時と議案の一覧(議案番号、題名)
- 氏名、住所または会員番号、提出の日付(署名または記名押印)
- 【委任状の場合】代理人の氏名。代理人を会員に限るか、一人が受けられる委任の数に上限を設けるか
- 【書面表決書の場合】議案ごとの賛成・反対・棄権の欄
- 「議長に一任する」の欄を設ける場合は、一任する範囲(当日の動議や修正案を含むか)の説明
- 提出先と、提出の期限(総会の前日までなど)
数え方も会則に書いておきます。委任状や書面表決書を提出した会員を、「出席したものとみなす」と定める会は多くあります。ただし、NPO法人の定款の変更では、社員総数の2分の1以上が出席することが条文で求められています(NPO法25条2項)。この「出席」に書面や代理人による表決者を数えるかは、条文には明記がないため、定款に「書面または代理人により表決した社員は、出席したものとみなす」といった定めを置き、所轄庁の公表資料などで取扱いを確かめて運用すると、後から争われにくくなります。
最後に、利害関係のある会員の表決です。たとえば、会員の除名の議案では、除名される本人は、その議案の表決に加わりません。役員の報酬や、役員と関係の深い業者への発注について議決する場面では、その役員が表決に加わらないようにします。法人では、条文で表決権が否定されています(地方自治法260条の19、NPO法14条の8)。法人格のない会でも、会則に同じ定めを置くと、公正さが保たれます。役員の利益相反は役員の選任・任期・責任で扱います。
オンライン開催・電磁的方法・書面決議:集まらずに決めるための条文
遠方に住む会員が増えた、平日の夜に集まれない、感染症対策など、総会を集まらずに行いたい場面は増えています。条文が用意している方法は、大きく三つあり、それぞれ性格が違います。
集まらずに決める三つの方法(条文の整理)
| 方法 | 条文 | 要件 | 向く場面 |
|---|---|---|---|
| 電磁的方法による表決 | 地方自治法260条の18第3項/NPO法14条の7第3項 | 総会は開く。出席しない構成員が、書面による表決に代えて電磁的方法で表決する。規約または総会の決議(認可地縁団体)、定款(NPO法人)の定めが必要。 | 総会は行うが、欠席する会員の意思をメールやウェブ投票で集めたいとき。 |
| 書面または電磁的方法による決議(認可地縁団体) | 地方自治法260条の19の2 | 構成員全員の承諾があるとき、書面または電磁的方法による決議ができる。構成員全員の書面または電磁的方法による合意があれば、決議があったものとみなす。 | 総会を開かず、全員の同意で決めたいとき。 |
| 社員総会の決議の省略(NPO法人) | NPO法14条の9 | 理事または社員が提案し、社員の全員が書面または電磁的記録により同意の意思表示をしたとき、可決する旨の決議があったものとみなす。 | 総会を開かず、社員全員の同意で決めたいとき。 |
書面や電磁的方法による決議は、全員の同意が要件です。一人でも同意しなければ成立しないため、全員の同意が得られる見込みがあるときに限って使えます。人数の多い自治会で全員の同意を取るのは現実的ではないので、通常は、総会を開く形を保ち、欠席者の意思を書面や電磁的方法で集める方法が主になります。
オンライン会議(ウェブ会議)で総会を開く場合は、会則に定めがあるかどうかが出発点です。条文は、ウェブ会議に出席した会員を、総会の出席者として扱うことを直接定めているわけではありません。そのため、会則に「ウェブ会議の方法により出席した会員は、総会に出席したものとみなす」と書き、本人確認の方法、通信が切れたときの取扱い、採決の方法(挙手機能、投票機能など)、議事録への記録の仕方を決めておくと、後から有効性を争われにくくなります。団体の型ごとの取扱いは、所管の資料などでも確かめます。
会則の例オンライン開催・電磁的方法
- 総会は、会場に会員が集まる方法のほか、情報通信の技術を利用して会員が参加する方法により開催することができる。
- ウェブ会議の方法により参加した会員は、総会に出席したものとみなす。会長は、あらかじめ本人の確認の方法を通知する。
- 総会に出席しない会員は、書面による表決に代えて、会長が指定する電磁的方法により表決することができる。
- 通信の障害により総会の議事に参加できなくなった会員の取扱いは、議長が総会に諮って定める。
本人確認の方法(顔の確認、事前に送付した番号の入力など)と、採決の方法は、使うツールに合わせて通知の中で具体的に示します。
議事録の書き方:後から決議の内容を確かめられる記載項目
議事録は、総会で何が決まったかを、後から確かめるための記録です。議事録の出来が悪いと、決議の内容、成立の有無、役員の選任の有効性が説明できなくなります。実務でよく見られる議事録は、日時、場所、出席状況、議長、議案ごとの結果、署名人、という最小限の形です。この形でも成立の事実は示せますが、決議の根拠や、質疑の内容が書かれていないと、のちに争いが起きたとき、決議の過程が分かりません。
議事録の記載項目の目安(一般的な例)
| 項目 | 書く内容 | 書き漏れ・書きすぎの注意 |
|---|---|---|
| 開催の日時・場所 | 開催の年月日、開始と終了の時刻、場所(オンラインの場合はその旨)。 | 開始と終了の時刻を書くと、開催時間の長さが分かる。 |
| 総会の種類 | 通常総会か臨時総会か。招集の通知を発した日と方法。 | 通知の日を書くと、5日前の期限を満たしたかが確かめられる。 |
| 出席状況 | 会員総数、出席者数、委任状提出者数、書面表決者数、合計。総会が成立した根拠(会則の条項)。 | 合計の計算を間違えやすい。定足数との比較を一行で書く。 |
| 議長・議事録作成者 | 議長の氏名、議事録を作成した者の氏名。 | 議長を選出した方法も書く。 |
| 議案と審議の要旨 | 議案ごとの題名、提案者、説明の要旨、質疑と意見の要旨、修正の有無。 | 一言一句の記録は不要。反対意見や修正の要旨は残す。 |
| 決議の結果 | 賛成・反対・棄権の人数、または拍手・挙手による採決の方法、可決か否決か。決議の根拠条項。 | 「異議なく承認された」と書く場合も、採決の方法を書く。 |
| 選任・承認した事項 | 役員の氏名と役職、任期、承認した予算・決算の概要。 | 役職名を、役員名簿・本文・署名欄で統一する。 |
| 署名 | 議長と議事録署名人の氏名、署名または記名押印、作成の日。 | 署名人の人数は会則で決める。 |
議事録は、法人の手続の添付書類として求められます。NPO法人では、設立の認証の申請には「設立についての意思の決定を証する議事録の謄本」(NPO法10条1項6号)を、定款を変更するときには「当該定款の変更を議決した社員総会の議事録の謄本」(同法25条4項・6項)を、それぞれ添えることが求められます。つまり、法人にとって議事録は、手続の添付書類として欠かせない記録になります。法人格のない会でも、会則に「総会の議事は議事録に記載し、議長および署名人が署名する」と定めておくと、運営の根拠が残ります。
書き方の例(一般的な例) 議事録の書き方
出席状況
理由数と根拠が分かると、成立の有無を後から検証できる。
決議
理由採決の方法と結果、要件が分かると、決議の有効性を説明できる。
審議の内容
理由決議の過程が残り、後で「そのような議論はなかった」と言われることを防ぐ。
役員の選任
理由一覧と本文で役職名や氏名がずれると、有効な選任かが疑われる。
署名、保管、閲覧、訂正:議事録を会の記録として扱う
議事録は、作って終わりではなく、署名し、保管し、必要なときに取り出せる状態にしてはじめて役に立ちます。会則や運用ルールに、次の点を決めておきます。
- 署名:議長と、会員から選ばれた議事録署名人(1名から2名程度)が署名または記名押印する。作成者と署名人が同じ人にならないようにする。
- 保管の場所と期間:議事録の保管の場所と期間は、会則で定めます。「会の存続する間保管する」「少なくとも○年間保管する」と定めます。NPO法人では、事業報告書等を作成の日から起算して5年が経過した日を含む事業年度の末日までの間、事務所に備え置くことが求められています(NPO法28条1項)が、これは議事録の保存期間ではなく、事業報告書等についての規定です。
- 閲覧:会員が議事録の閲覧を求めたときの手順を決める。閲覧の際には、個人情報や、他の会員の発言の扱いに配慮する。
- 電子データでの保管:紙の議事録をスキャンしてPDFで保存し、原本の保管場所と電子データの保管場所の両方を記録する。保存するメールやチャットの記録を、決議の根拠として残す場合は、日時が分かる形にする。
- 訂正:署名後に誤りに気づいたときは、元の議事録を書き換えず、訂正した版を別に作り、訂正の日付と理由、承認した機関を書く。元の議事録も残す。
議事録の訂正の手順(一般的な例)
- 誤りの確認誤りの箇所と内容を、議長と署名人で確かめる。
- 訂正の承認次の総会、または役員会で、訂正の内容を報告し、承認を受ける。
- 訂正版の作成訂正した議事録に、訂正の日付、理由、承認した機関を書き、署名人が改めて署名する。
- 旧版の保管元の議事録は廃棄せず、訂正版と一緒に保管する。
解散の決議や、規約・定款の変更の決議の議事録は、手続の添付書類になったり、金融機関や取引先に決議の事実を説明する資料になったりします。NPO法人の定款の変更では、議事録の謄本を所轄庁に提出する定めがあります(前に述べたNPO法25条4項・6項)。役員を選任した議事録も、就任の事実を示す資料として使われる場面があります。そのため、重要な決議の議事録ほど、決議の根拠条項、出席状況、役員の氏名と役職を、正確に書いておきます。解散の流れは会の解散・合併・役員交代時の引継ぎで整理しています。
起きがちなことと、確認の問い
起きがちなこと
- 招集の通知が総会の直前になり、委任状が集まらず、総会が成立するかどうかが前日まで分からない。
- 総会の当日に、通知していなかった議題が出され、その場で決めてしまい、後から効力を争われる。
- 委任状に「議長に一任」の欄しかなく、議案の内容が変わっても、議長が自由に賛否を決めている。
- 出席者と委任状の合計は書かれているが、定足数との比較が書かれておらず、成立したのかを説明できない。
- 議事録の役員の一覧と、本文の役職名が一致しておらず、誰がどの役職に選任されたのかが分からない。
- 議事録を作った人しか保管場所を知らず、役員の交代で行方不明になる。
- 総会をウェブ会議で行ったが、会則に定めがなく、出席扱いの有効性を後から問われる。
確認の問いと理由総会の会則を作る・見直す前の確認
通常総会の時期、臨時総会の請求の道は書いてあるか。
役員が総会を開かない場合に、会員が動けるようにするため(法人では5分の1が原則の割合)。
招集の通知の期限、方法、議題の示し方は決まっているか。
通知していない事項は決議できないとされるため。法人では少なくとも5日前。
定足数と、通常の議案・重い議案の議決の割合は決まっているか。
少数の出席で重要事項が決まるのを防ぐため。法人の規約・定款の変更と解散には条文の要件がある。
委任状・書面表決・電磁的方法・ウェブ会議の扱いは書いてあるか。
欠席者の意思の数え方が、成立と結果を左右するため。
議事録の記載項目、署名人、保管の場所と期間は決まっているか。
決議の有効性を後から確かめる唯一の記録になるため。
決議の有効性が争われたときの考え方は会則・総会・会費をめぐるトラブルとよくある質問、会費や臨時徴収を総会に諮る手順は会費・入会金・寄付・臨時徴収の決め方、除名の議案の手順は会員の入会・退会・除名の書き方に分けています。
よくあるご質問
総会の招集の通知は、何日前までに出せばよいですか。
認可地縁団体とNPO法人は、総会の日より少なくとも5日前に、会議の目的である事項を示して、規約または定款で定めた方法で通知することが、条文で求められています(地方自治法260条の15、NPO法14条の4)。法人格のない会には法律の定めはありませんが、会則に期限を書いておきます。5日は最低ラインですので、委任状を集める時間などを考えて、1週間から2週間前までに通知する会が多くあります。通知の方法(回覧、郵送、メール、LINEなど)も、会則に書いておきます。
委任状は、何通まで出席に数えられますか。
出席しない構成員は、書面で、または代理人によって表決ができるとされているだけで(地方自治法260条の18第2項、NPO法14条の7第2項)、委任状の数の上限や数え方は規約・定款・会則で決めます。会則に「委任状および書面による表決を出席に含める」「一人が受けられる委任の数は○通まで」などと書き、議事録に出席者、委任状、書面表決の内訳を載せると、成立の根拠を説明できます。
総会をオンラインで開いて、決議は有効ですか。
ウェブ会議で出席した会員を総会の出席者として扱えるよう、会則に、ウェブ会議の方法で参加した会員は出席したものとみなす旨、本人確認の方法、通信が切れたときの取扱い、採決の方法を書いておくことで、有効性を説明しやすくなります。欠席者の意思を電磁的方法で集める方法は条文に定めがあります(地方自治法260条の18第3項、NPO法14条の7第3項)。
議事録は必ず作らなければなりませんか。保存期間は何年ですか。
NPO法人では、設立の認証の申請や定款の変更の手続に、議事録の謄本を添える定めがあります(NPO法10条1項6号、25条4項・6項)。保管の場所や期間は会則で定めます。決議の過程を後から確かめるために、どの型の団体でも作成して、署名し、保管しておくべき書類です。
総会に出席しなくても、全員の同意の書面があれば決議できますか。
認可地縁団体では、構成員全員の書面または電磁的方法による合意があったときは、書面または電磁的方法による決議があったものとみなされます(地方自治法260条の19の2第2項)。NPO法人でも、社員の全員が書面または電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、可決する旨の決議があったものとみなされます(NPO法14条の9第1項)。いずれも全員の同意が要件で、一人でも同意しなければ成立しません。人数の多い会では、総会を開く形を保つ方が現実的です。
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本ページは一般的な情報提供です。個別の団体への当てはめは、団体の種類(法人格の有無、認可の有無)や会則の定めによって異なることがあります。書き方の例として紹介している内容は、会則作成の実務でよく見られる書き方を整理した例で、特定の団体や案件を示すものではありません。条文は e-Gov法令検索(法令API)で現行の規定を確認しています。参考: e-Gov法令検索 / 総務省 / 内閣府NPOポータルサイト / 個人情報保護委員会