このページの要点
- 認可地縁団体は正当な理由なく区域内の個人の加入を拒めず、NPO法人は社員の資格の得喪に不当な条件を付けられない。法人格のない会は会則で決める。
- 会員の区分を作るなら、総会での表決、会費、役員への就任、名簿の扱いを一覧で書き分ける。
- 退会は届出の方法・宛先・効力の発生日を決め、未納の会費、預かり物、名簿の情報など退会後に残るものも書く。
- 除名は、具体的な事由、決める機関、弁明の機会、書面での通知をひとまとまりで書く。民法680条は正当な事由と通知を求めている。
結論:入会・退会・除名は、団体の型ごとの「動かせない線」と、会則で決める「手順」に分けて書く
入会、退会、除名は、会員から見ると「会に入れるか」「会から出られるか」「会から外されないか」という安心にかかわる部分で、会則の中でもっとも争いになりやすい条項です。ところが、同じ「会員」でも、法人格のない同好会、認可を受けた自治会、NPO法人では、法律が会則に課している線が違います。この線を知らずに他の会の会則を写すと、書いてある手順が、自分の会では通用しない、あるいは法律に反するという事態が起こります。
整理のしかたは三段です。第一に、自分の会がどの型の団体かを確かめます(全体像は会則・規約・定款の違いと作り方、法人格のない会の位置づけは同好会・サークル・PTAの法的な位置づけで扱っています)。第二に、その型で動かせない線、つまり法律が決めていることを押さえます。第三に、その線の内側で、会員の種類、審査、届出、除名の手順を会則に書きます。
団体の型ごとに、入会・退会・除名で押さえる線
法人格のない同好会・サークル
会則・民法(組合の場合は678条〜681条)
- 法律が定める記載事項はなく、会則で自由に決められる。
- 入会を断る基準も、除名の事由と手順も、会則が根拠になる。
- 組合と評価される会では、民法の脱退・除名の規定が補う。
認可地縁団体(認可を受けた自治会)
地方自治法260条の2
- 区域内に住所を持つすべての個人が構成員になれるのが認可の要件(第2項第3号)。
- 正当な理由がない限り、区域内の個人の加入を拒めない(第7項)。
- 構成員に不当な差別的取扱いをしてはならない(第8項)。
NPO法人
特定非営利活動促進法2条2項・11条1項5号
- 社員の資格の得喪に関して、不当な条件を付けない(2条2項1号イ)。
- 社員の資格の得喪に関する事項は、定款に必ず書く(11条1項5号)。
- 設立の認証には10人以上の社員が必要(12条1項4号)。
任意の同好会でも、会則の定めが公序良俗に反する場合は無効になり得ます(民法90条)。会則に書いたから何でも有効、ということではありません。
以下では、会員の種類、入会の審査、休会と退会、除名の手続、暴力団等の排除と禁止事項の線引き、会員の変動の記録の順に、条文と会則の書き方を示します。表決権や会費、名簿の扱いは別のページに分けているので、ここでは「会員であること」の始まりと終わりに絞ります。
会員の種類:区分を作るなら、権利と義務を一覧で書き分ける
会員を一種類にするか、正会員・賛助会員などに分けるかは、会の運営のしかたで決まります。区分を作るときに最も大事なのは、区分ごとに「総会で表決できるか」「会費はいくらか」「役員になれるか」「名簿に載るか」を、会則の中で一覧にできる程度にはっきり書くことです。区分の名前だけを書き、中身を書かない会則は、後から「賛助会員にも投票権があるはずだ」といった食い違いを生みます。
会員の区分と、会則で書き分ける事項(一般的な例)
| 区分 | 総会での表決 | 会費 | 役員への就任 | 書くときの注意 |
|---|---|---|---|---|
| 正会員 | 1人1票(平等) | 年会費を納める | 就任できる | 会の運営に責任を持つ中心の会員。資格(居住区域、年齢、活動への参加)を具体的に書く。 |
| 賛助会員 | なし(意見を述べる機会は別に設ける) | 賛助の額を任意に決める | 就任できない | 表決権がないことを明記する。会の活動を支える立場であることを書く。 |
| 準会員・家族会員 | 会則で定める | 減額する場合は額と対象を書く | 定める | 対象(学生、同居の家族など)の範囲を曖昧にしない。 |
| 休会会員 | なし | 免除または減額 | 就任できない | 休会できる期間、復帰の手続、休会中の会費の扱いを書く。 |
NPO法人では、総会で表決する構成員を「社員」と呼び、各社員の表決権は平等とされます(特定非営利活動促進法14条の7第1項)。認可地縁団体でも、各構成員の表決権は平等です(地方自治法260条の18第1項)。いずれも、定款または規約に別段の定めがある場合は例外が認められています(NPO法14条の7第4項、地方自治法260条の18第4項)が、「会費の額に応じて票数が違う」といった定めは、会員の間に差をつけることになるため、設ける理由と範囲を慎重に考える必要があります。会員の区分を設けて「表決権のない会員」を作る場合は、その会員が総会の議決に拘束されること、表決権がないこと、意見を述べる機会をどのように設けるかを理解して加入してもらえるよう、入会届の段階で説明します。
会員の種類を変える手続も決めておきます。たとえば、賛助会員から正会員への変更、正会員から休会への変更を、本人の届出と役員会の承認で行うのか、総会の承認が要るのかです。区分変更の手続がないと、「活動に来なくなったから賛助会員に変えた」「勝手に区分を変えられた」といった紛争になります。
入会:審査の基準と、断れない場合を会則に分けて書く
入会は、会に入りたい人の申込みと、会の承認で成り立ちます。会則には、申込みの方法、審査をする機関、断る場合の事由、承認の通知、入会の効力が生じる時期を書きます。ここで外せないのは、断ってよい場合とそうでない場合が、団体の型で違うという点です。
法人格のない同好会では、会の目的に賛同し、会則を守ることを約束する人を受け入れるのが基本で、断る事由も会則で定めることができます。たとえば、一定の人数に達したときの入会の締切、活動の場所に通える範囲、会の目的に反する活動をしている人の入会の拒否などです。一方、認可地縁団体は、認可を受けるための要件として、区域に住所を持つすべての個人が構成員になれることが必要で(地方自治法260条の2第2項第3号)、認可後も、正当な理由がない限り区域内の個人の加入を拒んではなりません(同条第7項)。何が「正当な理由」に当たるかは条文からは決まらず、個別の事情で判断されるため、会則で「加入を拒むことができる場合」を広く書いても、その定めが条文に反しないとは言えません。NPO法人も、社員の資格の得喪に不当な条件を付けることはできません(NPO法2条2項1号イ)。
書き方の例(一般的な例) 入会の審査
審査の基準
理由基準が白紙だと、断った理由を説明できず、断られた側の納得も得られない。認可地縁団体やNPO法人では、不当な条件と見られるおそれもある。
承認の時期
理由会費の起算日、総会の議決権、事故のときの保険の扱いが、会員になった日で決まる。日が二通りに読めると争いになる。
断るときの通知
理由黙って放置せず、通知することだけは決めておく。理由の開示まで義務にするかは、会の事情で選ぶ。
入会の流れ(一般的な例)
- 申込み入会届に、氏名、連絡先、希望する会員の区分を書いて提出する。名簿の利用目的の説明(名簿・連絡網・写真の扱い)もこの時点で行う。
- 審査会則の資格に当たるか、断る事由がないかを、会則で定めた機関(会長、役員会など)が確認する。
- 承認と通知承認したときは、会員になった日、区分、会費の額と納入の期限、会則の配布方法を本人に通知する。
- 会費の納入入会金や初年度の会費を納入する。納入が入会の効力の条件なのか、承認で足りるのかを会則で決めておく。
- 名簿への登載名簿に登録し、役員や班の担当者に必要な範囲で共有する。
休会と退会:届出の方法と時期、そして退会しても残るもの
退会は、会員が自分の意思で会員の地位を終わらせる行為です。会則には、届出の方法(書面、メール、チャットなど)、届出の相手、効力が生じる時期(届出が届いた日、月末、年度末)を書きます。「退会したい」という連絡がチャットで一言あったときに、それが正式な退会の届出になるのか、いつから会費の請求が止まるのかが、争いの典型です。
民法には、組合の脱退についての規定があります。組合契約で存続期間を定めなかったときは、各組合員はいつでも脱退でき、ただしやむを得ない事由がある場合を除き、組合に不利な時期に脱退することはできません(民法678条1項)。会が民法上の組合と評価される場合には、この規定が補う形になります。会費を払わずに黙って来なくなる会員(事実上の退会)と、届出をして正式に退会する会員とを区別する意味でも、会則に届出の様式と期限を書いておく価値があります。
会則の例退会(休会)
- 会員は、会長に対し、所定の様式(書面または電子メール)により届け出ることで、退会することができる。
- 退会の効力は、前項の届出が会長に到達した日の属する○の末日に生じる。ただし、会長が認めるときは、届出の日に生じる。
- 会員は、○か月以上活動に参加できない事情があるときは、会長に届け出て、○か月を限度に休会することができる。休会中の会費は○とする。
- 会員が死亡したときは、その時に会員の資格を失う。会員の資格は、相続されない。
日数・割合・金額は「○」と伏せています。届出の方法を「書面または電子メール」に限ると、口頭やチャットの連絡との線引きが明確になります。
会員資格は、その人の個人的な地位で、相続の対象になりません。民法も、組合員の死亡を脱退の事由としています(民法679条1号)。会員が亡くなった場合の連絡を受けたときは、会費の精算、預かっている物の返還、名簿からの削除を、遺族に説明できる形にしておきます。
退会した後に残るものを会則に書いておくと、トラブルが減ります。次のとおりです。
- 未納の会費:退会しても、退会までに生じた会費の支払義務は消えません。債権は、権利を行使できると知った時から5年で時効にかかります(民法166条1項1号)。いつまで請求できるかを考える材料です。会費の請求の段階は会費・入会金・寄付・臨時徴収の決め方で整理しています。
- 預かり物・貸出物:会の備品、鍵、会員証、資料を返す義務と、返却の期限、郵送の費用の負担者を決めておく。
- 出資金・積立金:会員が一定の金額を預けて積み立てる形の会では、退会時に返すのか、返さないのか、返す場合の計算方法を書く。組合では、脱退した組合員との計算は、脱退の時の組合財産の状況に従って行います(民法681条1項)。
- 名簿上の情報:退会後に個人情報をいつまで保管し、いつ削除するか。詳しくは名簿・連絡網・写真の扱いで扱いますが、会則には「退会後○か月で削除する」といった方針を書きます。
- 守秘の義務:会員だった間に知った他の会員の個人情報や会の内部資料を、退会後も外に出さないこと。
書き方の例(一般的な例) 退会
届出の方法
理由口頭の申出が退会になるのか、いつから会費を止めるのかが明確になる。
退会の制限
理由承認がないと退会できないとする定めは、会員を会に縛り付けることになり、争いの原因になる。
除名:事由、手順、弁明の機会、通知をひとまとまりで書く
除名は、会員の意思に反して会員の地位を失わせる、会の中でもっとも重い措置です。会員を一方的に外す以上、後から「不当な除名だ」と争われても説明できる材料を、会則と記録の両方で用意しておく必要があります。
民法の組合の規定では、組合員の除名は、正当な事由がある場合に限り、他の組合員の一致によってすることができ、ただし、除名した組合員にその旨を通知しなければ、これをもってその組合員に対抗することができません(民法680条)。この条文は、除名に「正当な事由」と「通知」という二つの要素が必要であることを示しています。会が組合と評価されるかどうかにかかわらず、会則を作るときは、この二つを手がかりにするのが安全です。会則で除名の機関を総会にしたり、出席した会員の4分の3以上の賛成を要件にしたりするなど、手続を会に合わせて定めることはできますが、「正当な事由」と「通知」の考え方は変わりません。
除名の手順(一般的な例)
- 事実の確認除名事由に当たる行為があったかを、日付、場所、関係者の話、資料で確かめ、記録に残す。役員の一人の印象だけで進めない。
- 本人への通知と弁明の機会除名を検討していること、その事由、弁明できる期限と方法(書面または出席)を、本人に通知する。条文は弁明の機会を求めていないが、正当な事由を示すうえで重要な材料になる。
- 決議会則で定めた機関(総会、役員会)が、出席者の数と賛否を記録して決議する。本人が出席して意見を述べる場合は、その内容も記録する。
- 結果の通知除名の決議と事由、効力の発生日を、書面で本人に通知する。民法680条は、通知がなければ除名を対抗できないとしている。
- 名簿・会費・預かり物の整理除名の日までの会費、返却すべき備品、名簿からの削除の時期を整理し、本人に伝える。
会則の例除名
- 会員が次の各号のいずれかに該当するときは、総会の決議により、除名することができる。①会則または総会の決議に重大に違反したとき。②会の名誉を著しく傷つけ、または会の活動を著しく妨げたとき。③○か月以上会費を滞納し、催告を受けても納入しないとき。
- 会長は、前項の決議を行う総会の○日前までに、除名の事由を示して、その会員に弁明の機会を与えなければならない。
- 除名の決議があったときは、会長は、その旨と事由を書面で当該会員に通知する。通知が到達した日に、会員の資格を失う。
除名事由は「会員としてふさわしくない」のような包括的な書き方にとどめず、具体的に並べます。包括規定を置く場合も、具体の事由に準じる程度のものに限ります。
認可地縁団体では、構成員に不当な差別的取扱いをしてはならないとされ(地方自治法260条の2第8項)、区域内の住民に加入の機会が開かれていることが認可の前提です。そのため、除名の事由や手続は、特定の人を狙い撃ちにしたと見られないよう、客観的な事由に絞り、手順を平等に適用する必要があります。NPO法人では、社員の資格の得喪に不当な条件を付けないことが要件のため(NPO法2条2項1号イ)、定款または会則で定めた除名の事由が合理的か、手続が公正かが問われます。
書き方の例(一般的な例) 除名の事由
事由の書き方
理由除名は、事由が具体的であるほど、正当な事由の説明がしやすい。
決める機関
理由一人の判断で会員を外せる仕組みは、公正さに疑いを持たれる。
滞納を理由にするとき
理由段階を踏むことで、うっかりの未納と悪質な滞納を区別できる。
暴力団等の排除、営業・勧誘・宗教・政治の線引き
会則には、「暴力団等の反社会的勢力でないことの表明」と、「営業、勧誘、宗教、政治の活動の禁止」を置く会が多くあります。この二つは、書き方を間違えると、必要以上に会員の自由を縛ったり、逆に実際の場面で使えなかったりします。
まず暴力団等の排除です。NPO法は、暴力団や、暴力団又はその構成員等の統制の下にある団体を、設立の認証の基準から外し(12条1項3号)、暴力団の構成員等を役員の欠格事由としています(20条4号)。任意の同好会や自治会でも、会員が暴力団の構成員等でないことを入会時に表明してもらい、のちにそれが偽りと分かったときに資格を失う定めを置くことは、会の秩序を守るうえで意味があります。ただし、表明が偽りだったかどうかを誰が、どの資料で判断するのかを決めておかないと、一方的な判断になります。「資格の喪失」と書く場合も、本人への通知と、異議がある場合の連絡先は用意します。
次に、宗教・政治・営業・勧誘です。NPO法は、団体が宗教の教義を広めることや政治上の主義の推進等を主たる目的とすることを認めず、特定の公職の候補者・公職にある者・政党の推薦・支持・反対を目的とすることも認めません(2条2項2号イ〜ハ)。また、認可地縁団体は、特定の政党のために利用してはなりません(地方自治法260条の2第9項)。これらは、団体としての目的や利用のしかたを縛る条文で、会員個人が自分の信条のもとで宗教や政治に関わること自体を禁じるものではありません。会則で「会員は会の活動の場で、特定の宗教・政治・営業・勧誘の活動をしてはならない」と書くときは、会の活動の場や会の名義を使うことに限定し、会員の私生活の自由に踏み込まない書き方にします。
会則の例禁止事項と反社会的勢力の排除
- 会員は、会の活動の場、会の名義、会員名簿または会の連絡手段を用いて、次の行為をしてはならない。①営利を目的とする勧誘または販売。②特定の宗教の布教、特定の政党または候補者への投票の依頼。③他の会員の私生活への干渉または誹謗中傷。
- 会員は、自己が暴力団、暴力団員、暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者その他これらに準ずる者(以下「暴力団等」という。)でないこと、および暴力団等と関係を有しないことを表明し、確約する。
- 会員が前項の表明に反することが判明したときは、会は、その会員に通知のうえ、会員の資格を失わせることができる。
第2項の「5年を経過しない者」は、NPO法12条1項3号ロの暴力団の構成員等の定義に合わせた書き方の例です。会の実態に応じて、範囲の広さを調整します。
禁止事項を書いたら、違反した場合にどうなるのかも書きます。警告、活動の一時停止、除名の順に段階を設けておくと、軽微な違反にいきなり除名で応じる事態を避けられます。逆に、禁止事項だけを並べて制裁の定めがない会則では、違反があっても会として動けません。違反の事実の確認と、本人への通知・弁明の機会は、除名のところで述べた手順と同じです。
会員の変動を記録する:入退会届と名簿の項目
入会、休会、退会、除名が行われても、それが記録に残らなければ、総会の成立の人数の数え方、会費の請求先、行事の連絡先が、会員ごとにずれていきます。会員の変動は、日付とともに名簿に反映する仕組みにしておきます。認可地縁団体は、構成員名簿を備え置き、構成員の変更があるごとに必要な変更を加えなければならないと定められています(地方自治法260条の4第2項)。任意の会でも、同じ運用をすると、総会の成立を後から確かめやすくなります。
入会届・退会届に載せる項目の確認リスト
- 氏名、連絡先(住所、電話、メール)と、連絡の優先方法
- 会員の区分(正会員、賛助会員など)と、入会・休会・退会の希望日
- 会則を読んで同意した旨の署名または記名
- 名簿の利用目的(連絡網、行事の案内、名簿の配布など)の説明を受けた旨
- 写真・動画の掲載の可否(別に同意欄を設ける場合は、その欄)
- 暴力団等でないことの表明(会則で定める場合)
- 退会届では、未納の会費、返却する物の有無と、返却の期限
名簿の中身を誰にどこまで見せるか、退会者の情報をいつ消すかは、個人情報の問題として別に整理します(名簿・連絡網・写真の扱い)。会員の変動の記録と、個人情報の取扱いは、別の論点として分けて考えると混乱しません。
起きがちなことと、会則を作るときの確認の問い
入会・退会・除名の場面で、運営が行き詰まりやすいのは、次のようなところです。
起きがちなこと
- 退会の届出の方法を決めておらず、チャットでの一言が退会になるのか、いつから会費を止めるのかで揉める。
- 会費を払わない会員を、会則に手順がないまま「除名にした」と告げ、あとで本人から有効性を争われる。
- 認可を受けた自治会で、新しく転入した住民の加入を、班長の判断で断る。
- 他の会の会則を写して「会長が不適当と認めた者」を除名事由にしたが、誰がどの基準で判断するのかが誰にも説明できない。
- 会員の区分を作ったが、賛助会員の総会での扱いが書かれておらず、総会で賛助会員が投票し、成立の人数がずれる。
- 会員が亡くなった連絡が役員の一人にしか入らず、会費の請求と名簿の更新が止まらない。
確認の問いと理由会則に入会・退会・除名を書く前の確認
自分の会は、法人格のない会、認可地縁団体、NPO法人のどれか。
型によって、入会を断れる範囲と、会員資格に付けられる条件が違うため。
会員の区分は何種類で、区分ごとの表決権と会費は決まっているか。
総会の人数の数え方と会費の請求が、区分で決まるため。
入会を断る事由は、具体的に書けているか。
白紙のまま「適当と認めた者」とすると、断った理由を説明できないため。
退会の届出の方法、宛先、効力の発生日は決まっているか。
会費の止まる日と、総会の成立の人数が、この日で決まるため。
除名の事由、決める機関、弁明の機会、通知の方法は書けているか。
正当な事由と通知がそろっていることが、後から説明する土台になるため(民法680条の考え方)。
退会・除名の後に残る義務(未納会費、備品の返却、守秘)は書けているか。
会員でなくなった後の扱いを決めておかないと、請求や返却の根拠がなくなるため。
トラブルになったときの全体の整理は、会則・総会・会費をめぐるトラブルとよくある質問にまとめています。
よくあるご質問
入会を希望する人を、会の判断で断ってもよいですか。
法人格のない同好会やサークルでは、会則で定めた資格や基準に当たらない人を断ることができます。基準は、会の目的への賛同、会則の遵守、活動の範囲など、具体的に書いておくと説明しやすくなります。ただし、認可を受けた自治会は、正当な理由がない限り、区域に住所を持つ個人の加入を拒んではならないとされています(地方自治法260条の2第7項)。NPO法人は、社員の資格の得喪に不当な条件を付けられません(NPO法2条2項1号イ)。団体の型を確かめてから、断る事由を書きます。
退会は、口頭やチャットで伝えるだけで有効ですか。
会則に退会の届出の方法を定めていないと、口頭やチャットの連絡が退会の届出に当たるのかが争いになります。会則に「書面または電子メールで会長に届け出る」と書き、効力の発生日(届出が届いた日、その月の末日など)も決めておくと、会費の止まる日がはっきりします。民法は、組合で存続期間を定めなかったときは、各組合員がいつでも脱退できるとしていますが(678条1項)、会則の届出の方法を決めること自体は、会の運営として差し支えありません。
会費を払わない会員を除名できますか。
会則に滞納を除名の事由として書いてあり、手順を踏めば可能です。ただし、1回の未納で直ちに除名とするのではなく、督促、催告、資格の停止という段階を置き、それでも一定の期間が過ぎたときに除名の手続に進む形が、後で争われにくい書き方です。除名にあたっては、本人への通知と弁明の機会、決議、結果の通知をそろえます。民法680条も、除名には正当な事由と通知が必要であることを示しています。滞納への対応は会費・入会金・寄付・臨時徴収の決め方で詳しく述べています。
会員が亡くなったとき、会員の地位は家族に引き継がれますか。
会員資格は、その人個人の地位で、相続されないのが原則です。会則に「会員が死亡したときは、その時に会員の資格を失う」と書いておくと、遺族への説明がしやすくなります。民法も、組合員の死亡を脱退の事由としています(679条1号)。ただし、亡くなった時までの未納会費は、債権として残ります。家族が代わりに入会を希望する場合は、通常の入会の手続として扱います。
正会員だけが総会で投票できる、というルールにしてもよいですか。
NPO法人の場合、総会で表決する構成員(社員)の表決権は平等であり(NPO法14条の7第1項)、表決権のある会員とない会員を分けるときは、定款でその区分を明確に書くことになります。賛助会員を「表決権のない会員」と位置づける会は多くあります。認可地縁団体でも、構成員の表決権は平等とされています(地方自治法260条の18第1項)。会則には、区分ごとの表決権の有無を一覧にして書き、入会届の段階で説明するのが安全です。
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本ページは一般的な情報提供です。個別の団体への当てはめは、団体の種類(法人格の有無、認可の有無)や会則の定めによって異なることがあります。書き方の例として紹介している内容は、会則作成の実務でよく見られる書き方を整理した例で、特定の団体や案件を示すものではありません。条文は e-Gov法令検索(法令API)で現行の規定を確認しています。参考: e-Gov法令検索 / 総務省 / 内閣府NPOポータルサイト / 個人情報保護委員会