自治会・同好会・サークル・NPO法人を運営する方へ会が代替わりしても続く、
会則と運営の決めごとを
会則は、会を続けるための約束事を、会員みんなが読める形で残す文書です。法人格のない同好会、認可を受けた自治会、NPO法人では、会の法的な性格も、会則に書くべきことも、総会の決め方も違います。入会と退会、会費、役員の任期と責任、総会と議事録、会員名簿の扱い、お金の管理、行事での事故、解散や引継ぎまで、会を運営する人が毎年つまずく場面を、民法・地方自治法・特定非営利活動促進法・個人情報保護法の条文と、会則の書き方の例で順に整理しました。自治会・町内会の役員、同好会やサークル、PTA、保護者会の世話役、NPO法人を立ち上げる方や運営している方が、会則を作る前、直す前に押さえておきたい点をまとめています。事業として会員を募るオンラインサロンや協会の会員規約、教室の会員規約は、別のガイドで扱います。このガイドは、構成員が自分たちで決めて運営する団体の内側の決めごとに絞っています。
会則を作りたい・直したい世話役の方

会則・規約・定款の違いと、最初に決めること
同好会やサークルの会則、自治会の規約、NPO法人の定款は、名前が似ていても、法律が求める記載事項も、変え方も違います。まず自分たちの会がどの型の団体なのかを整理します。
会則に入れる項目は、地方自治法やNPO法が定める記載事項を物差しにすると、抜けを見つけやすくなります。会則・総会決議・内規の優先順位も決めておきます。
法人格や認可を考えている方

任意の会、認可地縁団体、NPO法人の違い
法人でない会は、契約や口座の名義、会長が負う責任の見通しが法人とは異なります。権利能力なき社団と民法上の組合という2つの型と、会則の書き方による違いを押さえます。
自治会が認可を受けると何が変わるのか、規約に必ず書く項目、加入を拒めない場面、NPO法人の定款変更で認証が要る事項を、条文に沿って整理します。
会員の入退会や会費で困っている方

入会・退会・除名、会費の決め方と滞納
入会を断ってよいか、退会届は要るか、迷惑な会員をどう外すかは、団体の型と会則で扱いが変わります。弁明の機会、総会決議、通知の方法まで会則に書いておくと運用が安定します。
会費は、額と改定を総会で決める形、滞納への段階的な対応、年度の途中の退会の扱いを決めます。募金や共益費は、会費と分けて任意の協力として集めます。
総会・役員の運営に不安がある方

総会の開き方、議事録、役員の任期と責任
総会は、招集の通知、委任状や書面による表決、決議の要件、議事録の記載項目が揃って初めて、後から確かめられる決議になります。手順を順に整理します。
役員は、なり手がいない、会長が個人で責任を負うのかといった悩みが続きます。代表権の範囲、任期、欠員、利益相反、委任の善管注意義務の見通しを示します。
名簿とお金の管理を見直したい方

会員名簿、連絡網、会計の引継ぎ
名簿を会員に配ってよいか、LINEグループや写真の掲載に同意は要るか、退会者の情報をいつ消すかは、利用目的の特定と第三者提供の考え方で整理できます。
会計係が一人で抱え込む運用は、通帳と印鑑の分離、帳簿の確認、監事の監査、引継ぎの定めで防ぎます。
行事の事故や解散を心配している方

行事中の事故、トラブル、解散と引継ぎ
行事でけがが出たとき、役員個人が責任を負うのか、「自己責任」と書けば足りるのかは、事故の型と責任の根拠で見通しが変わります。同意書の限界も押さえます。
会員が減って続けられないときの解散の決議、残余財産の行き先、清算、帳簿・名簿・アカウントの引継ぎまで、先に決めておくと慌てません。
このガイドの解説ページ
よくあるご質問
会則と規約と定款は、何が違いますか?
「会則」「規約」は法律で決まった名前ではなく、団体が自分たちの決めごとにつけた呼び名です。一方、NPO法人には定款を作る義務があり、定款に書く事項は特定非営利活動促進法11条が定めています。認可を受けた自治会の「規約」は、地方自治法260条の2第3項が目的・名称・区域・主たる事務所の所在地・構成員の資格に関する事項・代表者に関する事項・会議に関する事項・資産に関する事項の8項目を書くよう求めています。法人でない同好会やサークルの会則には、法律が求める記載事項はありませんが、この8項目を物差しにすると抜けを見つけやすくなります。
法人でない同好会でも、団体の名前で訴えたり訴えられたりしますか?
民事訴訟法29条は、法人でない社団または財団で代表者または管理人の定めのあるものは、その名で訴え、または訴えられることができると定めています。会則に代表者を決める定めがあることは、この条文を読むときの手がかりになります。ただし、どの会がこの条文に当たるかは個別の事情で判断されるため、会則では、契約や口座の名義、代表権の範囲、決裁の権限を決めておくことが大切です。
自治会は、認可を受けなければいけませんか?
認可を受けることは義務ではありません。認可地縁団体になると、地域的な共同活動のための不動産などを団体名義で持てるなど、規約に定める目的の範囲内で権利を有し義務を負う主体になります(地方自治法260条の2第1項)。認可を受けた団体は、区域内の個人の加入を正当な理由なく拒んではならず、構成員に不当な差別的取扱いをしてはなりません(同条7項・8項)。認可を受けていない任意の自治会の加入や退会の扱いは、会則と実態によって異なります。
小さな会でも、会員名簿は個人情報保護法の対象になりますか?
個人情報保護法の「個人情報取扱事業者」は、個人情報データベース等を事業の用に供している者と定義されています(16条2項)。小さな会がこれに当たるかは、会の活動の実態と、個人情報保護委員会のガイドラインの考え方を確かめて判断します。当たるかどうかにかかわらず、名簿には利用目的を示し、会員に配る場合は何のために誰に配るのかを入会時に説明して、同意を得ておく運用が望ましいといえます。このガイドの名簿のページで、第三者提供や写真・LINEグループの扱いを整理しています。
総会を開くとき、最低限そろえておくものは何ですか?
認可地縁団体の場合、総会の招集の通知は、総会の日より少なくとも5日前に、その会議の目的である事項を示して、規約で定めた方法でする必要があります(地方自治法260条の15)。そのほか、委任状や書面による表決の扱い、議事録の記載項目(日時・場所・出席者数と委任状の数・議長・議案ごとの結果・署名人)をそろえておくと、決議の有効性を後から確かめやすくなります。規約の変更は総構成員の4分の3以上の同意と市町村長の認可が必要です(同法260条の3。規約に別段の定めがある場合を除く)。
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運営事務所・ご相談のご案内監修:アトラス行政書士法人(代表社員 荒木素子・特定行政書士) 最終確認日:2026年10月15日