会費・入会金・寄付・臨時徴収の決め方:滞納・不返還・募金の分け方

会費は、額・時期・使い道・変えかた・滞納・退会のときの六つを会則に書き、寄付や募金は任意の協力として会費と分けて集めます。

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総会の当日に出席者の発言で会費の値上げが決まり、通知していなかった議題の決議として後から争われることがあります。

このページの要点

  • 会費の額を会則に書くか総会の決議に委ねるかで、規約・定款の変更の手続の重さが変わる(地方自治法260条の3、NPO法25条)。
  • 値上げや臨時徴収は、招集通知に議題として書いて諮る。通知していない事項は決議できないとされている(地方自治法260条の17、NPO法14条の6)。
  • 滞納は、督促、催告、資格の停止、除名の順に段階を置き、時効(民法166条)と、遅延損害金の上限(消費者契約法9条1項2号)にも注意する。
  • 寄付は贈与(民法549条・550条)で任意。募金や共益費は会費の請求に上乗せせず、別立ての任意の協力として案内する。

結論:会費は「額・時期・使い道・変えかた・滞納・退会のとき」の六つを書き、寄付や募金は会費と分ける

会員が出し合うお金は、会の活動を支える土台です。会費で揉める会の多くは、お金の額そのものよりも、「何のために、誰が、どういう手続で決めた金額なのか」が書かれていないことが原因です。会則に書くべきことは、次の六つに整理できます。

  • 額と納める時期:年会費か月会費か、いつまでに、どの方法で納めるか。
  • 使い道:会の運営費、行事の費用、積立てなど、何に使うお金か。
  • 変えかた:額の改定や、臨時にお金を集めるときに、総会で決めるのか、役員会で足りるのか。
  • 滞納のとき:督促、資格の停止、除名の順序と、遅延した分の扱い。
  • 途中で入る・出るとき:年度の途中の入会や退会で、日割りにするのか、返すのか。
  • 会費でないお金:寄付、賛助金、募金、行事の参加費、共益費を、会費とどう分けるのか。

このページは、構成員が自分たちで決める団体の会費に絞ります。税の取扱いは扱いません。会員の入会・退会・除名そのものは会員の入会・退会・除名の書き方、総会での決議の手順は総会の開き方と議事録の作り方、集めたお金の管理と引継ぎは会のお金の管理と会計の引継ぎに分けています。

会員が出すお金の種類と、会則での位置づけ(一般的な例)

お金の種類性格会則上の根拠任意か返金
入会金入会のときに一度だけ納める金銭。事務の費用や基金に充てる。会費の規定の中に額と使い道を書く。入会する以上は納める義務原則なし。入会の承認前に取りやめたときの扱いは書いておく。
会費(年会費・月会費)会の運営費を会員が分担する金銭。会則に額、または額を決める機関を書く。会員である以上は納める義務年度の途中で退会した場合の扱いを会則で決める。
賛助金会の活動を支援するための金銭。賛助会員の会費として定める形もある。賛助会員の規定、または寄付の案内文。賛助会員なら義務、一般の賛助は任意書面で約束した部分は撤回しにくい。
寄付会に無償で与える金銭。会則に義務として書かない。受領の記録を残す。任意民法の贈与の規定による(549条・550条)。
臨時徴収(特別会費)特定の事業や不足分のために、臨時に会員から集める金銭。会則に根拠と上限、決議の機関を書く。会員の義務(根拠がある場合)使途が変わったときの扱いを決める。
行事の参加費・共益費行事に参加する人、または地区の共同の費用を分担する人が出す金銭。行事ごとの案内、または会則の別表。参加する人・利用する人のみ参加を取りやめたときの扱いを、案内に書く。

会費の根拠は会則にある:額を会則に書くか、総会の決議に委ねるか

会費を納める義務は、会員になったときの合意、つまり会則への同意から生まれます。そのため、会則に会費の定めがない、または額が分からない会では、請求の根拠を説明できません。会則に書き方は二つあります。会則本文に額まで書く方法と、会則には「会費は総会の決議で定める」とだけ書き、額は総会で決める方法です。

どちらを選ぶかは、団体の型によって、変更の重さが違うことを考えて決めます。

  • 認可地縁団体:規約に「資産に関する事項」を書くことが必要です(地方自治法260条の2第3項第8号)。規約を変更するには、同意の要件を満たしたうえで市町村長の認可が要ります(同法260条の3。自治会の認可のページで整理しています)。会費の額まで規約に書くと、額を変えるたびに規約の変更の手続が必要になります。
  • NPO法人:定款には、資産に関する事項と会計に関する事項を書かなければなりません(特定非営利活動促進法11条1項8号・9号)。定款の変更は、社員総数の2分の1以上が出席し、その出席者の4分の3以上の多数で議決します(定款に特別の定めがあるときを除く。同法25条2項)。このうち資産・会計に関する事項は、所轄庁の認証が必要な事項(25条3項)に挙がっておらず、変更後に届出をする扱いになります(25条6項)。額を定款に書くか、総会の決議で定めるかで、手続の重さが変わります。
  • 法人格のない会:会則に額を書いても、総会の決議で定めてもかまいません。変更の要件(出席者の過半数、3分の2以上など)は会則で決めます。

実務では、会則に「会費の額は、総会の決議により定める」と書き、金額は総会で毎年度確認する形がよく見られます。物価や活動の規模が変わっても、会則を変えずに金額を調整できるためです。ただし、この形にすると、会費の額が会則を見ても分からない、という問題が出ます。入会案内や会費の納入の案内に、現在の額を書いておくことで補います。

会則の例会費

  1. 会員は、総会の決議で定める会費を納めなければならない。会費の額は、会員の区分ごとに定める。
  2. 会費は、毎年○月末日までに、会が指定する方法で納める。年度の途中で入会した会員の会費は、入会した月から年度の末日までの月数に応じて計算する。
  3. 会費は、会の運営費および総会が承認した事業の費用に使い、他の目的には使わない。
  4. 会員は、会費のほか、総会の決議により、臨時に費用を負担することがある。臨時の負担の額には、総会の決議で上限を定める。

額と期限は「○」と伏せています。第2項の月割りは、年度の途中で入った人の会費を決めるための一つの書き方で、日割りや半額方式にする会もあります。

値上げ・臨時徴収・特別会費:総会に何を、どう諮るか

会費の値上げや臨時徴収は、会員にとって新しい金銭の負担です。そのため、会則に根拠があること、総会で決議すること、決議の前に議題として知らされていることの三つがそろっていることが、あとで争いにならないための条件です。

議題の知らせについては、条文にも手がかりがあります。認可地縁団体の総会は、あらかじめ通知をした事項についてのみ、決議をすることができます(地方自治法260条の17。規約に別段の定めがあるときを除く)。NPO法人の社員総会も同じ考え方です(NPO法14条の6)。通知の期限や記載事項の詳細は総会の開き方と議事録のページで扱います。そのため、総会の当日に、出席者の間で「会費を上げよう」という話が出て、その場で決議した場合、通知していなかった事項の決議として、効力が問題になります。値上げや臨時徴収は、招集通知に「会費の改定の件」「臨時徴収の件」と議題を書いて諮ります。

会費に関わる総会の決議の要件(条文で決まっているもの)

  • 認可地縁団体の規約の変更総構成員の4分の3以上の同意と市町村長の認可地方自治法260条の3
  • NPO法人の定款の変更社員総数の2分の1以上の出席と、出席者の4分の3以上の賛成NPO法25条2項
  • 総会の議題通知した事項についてのみ決議できる地方自治法260条の17/NPO法14条の6
  • 総会の招集の通知少なくとも5日前に、目的である事項を示して行う地方自治法260条の15/NPO法14条の4

会費の額の決議そのものの要件は、条文に一般的な定めがなく、規約・定款・会則で決めます。法人格のない会も、会則で出席者の数と賛成の割合を決めておきます。

臨時徴収の決議では、次の点を一緒に決めます。

  • 目的:何のための費用か(集会所の修繕、行事の不足分、記念事業など)。
  • 上限と期限:1人あたりの上限額と、いつまでに納めるか。会則の中に、臨時の負担の上限を書いておく会もあります。
  • 使途の変更:集めた額が余ったとき、目的の事業が中止になったときに、返すのか、別の用途に使うのか。
  • 免除:休会中の会員、経済的な事情のある会員の扱い。扱いを決める基準が曖昧だと、特定の人を狙った免除や取立てと受け取られます。

書き方の例(一般的な例) 臨時徴収

根拠

よくある書き方役員会の判断で「不足分を各戸に割り振る」と案内する。
整えた書き方会則に臨時徴収の根拠と上限を書き、総会の決議を経て案内する。

理由会員にとって新しい負担になるため、根拠と決議を残しておく。

使途

よくある書き方「会の運営のため」とだけ書く。
整えた書き方「集会所の屋根の修繕の費用」のように目的を特定し、余ったときの扱いも書く。

理由目的が特定されていると、会員が納得しやすく、使い道の報告もしやすい。

議題の知らせ

よくある書き方総会の当日に、出席者の発言で決まる。
整えた書き方招集通知に「臨時徴収の件」と議題を書き、額と目的の案を添える。

理由通知していなかった事項は決議できないとされるため(地方自治法260条の17、NPO法14条の6)。

滞納への対応:督促の段階、資格の停止、除名との順序

会費の滞納は、悪意によるものだけではありません。忘れていた、引き落としの口座を変えた、世帯の事情で払えなくなった、など様々な事情があります。滞納への対応を、会則に段階として書いておくと、役員が個人的に取り立てる事態を避けられ、会員への公平な扱いにもなります。

滞納への対応の段階(一般的な例)

  1. 納入の確認期限の後に、納入の有無を確かめ、納入がない会員に連絡する。口座引き落としの不備や、連絡先の誤りを疑う。
  2. 督促(1回目)書面またはメールで、会費の額、期限、納入の方法を伝える。感情的な言葉は避け、事実だけを書く。
  3. 催告(2回目)期限を決めて納入を求め、納入がないときは会則に基づく措置(資格の停止、除名の手続)に進むことを予告する。
  4. 資格の停止会則に定めがあれば、納入があるまで、総会での表決や行事への参加を停止する。停止の範囲は会則に書く。
  5. 除名の検討催告を受けても一定の期間を過ぎても納入がない場合に限り、除名の手続(入会・退会・除名の書き方)に進む。

会費の支払義務は、金銭を支払う債務です。確定した期限が来たときから、遅れた責任が生じます(民法412条1項)。金銭を払わなかったときの損害賠償の額は、債務者が遅滞の責任を負った最初の時点の法定利率で定まり(民法419条1項)、債権者は損害の証明をする必要がありません(同条2項)。つまり、会則に何も書かなくても、法定利率による遅延の損害金は請求できる、という整理になります。ただし、少額の会費に遅延損害金を請求するかどうかは、会の方針で決めることで、「請求しない」と決めている会も多くあります。

会則に遅延損害金を書く場合は、金額が過大にならないようにします。会員が消費者契約法上の消費者に当たり、会が同法の事業者に当たる場面では、支払期日までに払わない場合の損害賠償の額を予定する条項や違約金の定めのうち、年14.6パーセントを超える部分は無効になります(消費者契約法9条1項2号)。会費の滞納に違約金を課すことは、会員の反発を強めやすいので、督促の費用を実費で請求する、資格の停止で対応するなど、金額に頼らない書き方を先に検討します。

時効にも注意が必要です。債権は、権利を行使できると知った時から5年間行使しないときは、時効によって消滅します(民法166条1項1号)。長期間の滞納を放置したまま、後で一括して請求しても、古い分は請求できなくなっていることがあります。滞納がある会員には、早い時期に、書面で額と期限を伝え、記録に残します。

共同の施設の利用の扱いにも注意します。認可を受けた自治会は、構成員に不当な差別的取扱いをしてはならないとされています(地方自治法260条の2第8項)。会費を払っていない世帯の、ごみ集積所や防災の連絡網の利用を、一律に止める扱いは、実費の負担という理由で説明できるかを含めて、慎重に検討します。滞納への措置は会則に書き、全員に同じように適用します。

年度途中の入退会と、不返還・日割りなしの書き方

「納めた会費は理由を問わず返さない」「日割りは行わない」という定めを置く会は多くあります。会の運営費は、年度の初めに計画して使われるため、会費を年度単位で納めてもらい、途中で退会してもその年度の会費は返さないという仕組みには、合理性があります。しかし、書き方によっては、会員の権利を過度に制限する定めとして、問題にされるおそれがあります。

ここで押さえておきたいのが、消費者契約法の入口です。同法は、「事業者」を、法人その他の団体と、事業として又は事業のために契約の当事者となる個人としています(消費者契約法2条2項)。営利を目的としない団体も、条文の文言上は事業者から除かれていません。そのため、団体が個人の会員を相手に、有料の講座、教室、行事などを提供する場面では、消費者契約として同法の適用が問題になることがあります。ただし、この当てはめは、団体の性格、契約の内容、会員との関係など、個別の事情で判断されます。会員同士が自分たちで運営する会の会費が、すべて消費者契約に当たるわけではありません。

一方で、同法が適用される場面を想定して書き方を整えておけば、会員の納得も得られやすく、争いにもなりにくくなります。関係する条文は次のとおりです。

消費者契約法の主な条文(会費・参加費の条項に関係するもの)

  • 消費者契約法2条2項「事業者」に、法人その他の団体を含む
  • 消費者契約法8条事業者の損害賠償の責任を免除する条項などの無効
  • 消費者契約法9条1項1号消費者契約の解除に伴う損害賠償の額の予定・違約金のうち、同種の契約の解除に伴い事業者に生ずべき平均的な損害の額を超える部分は無効
  • 消費者契約法9条1項2号支払期日までに払わない場合の損害賠償の額の予定・違約金のうち、年14.6パーセントを超える部分は無効
  • 消費者契約法10条消費者の権利を制限し義務を加重する条項で、信義則に反して消費者の利益を一方的に害するものは無効
  • 民法90条公の秩序または善良の風俗に反する法律行為は無効

条文の内容は、e-Gov法令検索で現行の規定を確認したものです。会の会費がこれらに当たるかは、個別に判断されます。

書き方の例(一般的な例) 途中の入退会と不返還

不返還

よくある書き方「納入した会費は、いかなる理由があっても返還しない。」
整えた書き方「納入した会費は、会員の都合による退会の場合は返還しない。ただし、会の責めに帰すべき事由により会の活動ができなかった場合は、会が定める方法で返還する。」

理由例外を書かない「いかなる理由があっても」は、会に責任がある場合まで返さない趣旨に読め、問題にされやすい。

途中入会

よくある書き方年度の途中で入会しても、年会費の全額を納める。
整えた書き方年度の途中の入会は、入会した月から年度末までの月数で計算するか、年会費の半額とするかを、会則で決める。

理由入会する側の公平感を保ち、入会をためらう原因を減らす。

行事の参加費

よくある書き方参加費は、取りやめても返さない。
整えた書き方「会場や食材の手配が済んだ日以降の取りやめは返さない。それ以前の取りやめは返す」のように、返す・返さないの境の日を案内に書く。

理由準備にかかった費用を理由とする線引きは、説明しやすい(行事・活動中の事故と責任も参照)。

寄付・賛助金・募金:会費と分けて、任意の協力として集める

会費と一緒に、募金や共益費、地区の費用を集める会は多くあります。会員にとっては一度に払えて便利ですが、「任意のはずの募金が、会費の一部として事実上強制されている」と受け取られると、不満や争いの原因になります。基本は、会費は会員の義務、寄付や募金は任意と、はっきり分けることです。

寄付は、法的には贈与に当たります。贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾することによって効力を生じ(民法549条)、書面によらない贈与は、履行の終わった部分を除いて、各当事者が解除できます(同法550条)。つまり、口頭で「寄付します」と言った人に対し、会が当然に支払いを求められるわけではありません。会員の間で寄付を約束してもらう場合は、金額と目的を書いた書面(申込書、メール)を残しておきます。

募金の取りまとめでは、さらに次の点に注意します。

  • 会費とは別に案内し、別に集める:集金の袋や口座も分ける。会費の請求書に募金を上乗せして合計額だけ示す形は、任意性を損なう。
  • 金額を会が決めない:「1世帯○円」と一律に示すと、事実上の強制になる。金額は目安にとどめ、参加しない自由と、金額を選ぶ自由を案内に書く。
  • 参加しない人に不利益を与えない:募金に応じなかったことを理由に、会の行事や施設の利用で扱いを変えない。認可を受けた自治会では、構成員に不当な差別的取扱いをしてはならないとされている(地方自治法260条の2第8項)。
  • 取りまとめであることを明確にする:外部の団体の募金を会が預かって渡す場合は、会が集めたお金ではなく、取りまとめて渡すお金であること、送金先、送金の日、会員への報告を決めておく。
  • 会の会計とは区分する:預かり金を会の運営費と混ぜない。区分して帳簿に載せ、決算の報告で示す。

会則の例寄付・募金・共益費

  1. 会は、会員その他の者から、会の活動を支援するための寄付を受けることができる。寄付は任意とし、寄付をしないことを理由に、会員としての権利を制限しない。
  2. 会が外部の団体の募金を取りまとめるときは、会費とは別に、任意の協力として案内し、集めた金額は会費の会計とは区分して管理する。集めた金額は、○日以内に当該団体に引き渡し、その結果を会員に報告する。
  3. 地区または共同の施設の維持にかかる共益費は、総会の決議で額と使い道を定め、会費とは区分して徴収する。

NPO法人の場合は、特定非営利活動に係る事業以外の事業(その他の事業)に関する会計は、特別の会計として区分して経理する必要があります(NPO法5条2項)。寄付の取扱いと事業の会計の区分は別の論点です。

集めたお金の使い道を見えるようにする

会費を納める会員が最も気にするのは、「何に使われたのか」です。使い道を見えるようにしておくと、値上げや臨時徴収の提案も通りやすくなります。会則や運用ルールに、次の三点を入れておきます。

  • 予算を総会で決める:年度の初めに、収入と支出の予算案を総会に諮り、会費の額と使い道を確認する。
  • 決算を報告し、監査を受ける:年度の終わりに収支の決算をまとめ、監事または会計監査の確認を受けて、総会に報告する。
  • 帳簿を会員が見られるようにする:領収書や通帳の記録を、会員の請求に応じて閲覧できるようにする。

NPO法人には、会計の原則(NPO法27条)と、事業報告書等を事務所に備え置いて閲覧させる義務があります(同法28条)。認可地縁団体は、認可を受ける時と、毎年1月から3月までの間に財産目録を作成し、主たる事務所に備え置かなければなりません(地方自治法260条の4第1項)。任意の会にこうした義務はありませんが、同じ枠組みを参考にして、収支の報告と帳簿の閲覧を会則に書いておくと、会員の信頼につながります。会計の体制や引継ぎは会のお金の管理と会計の引継ぎで扱っています。

会費の定めを見直すときの確認リスト

  • 会則に、会費の額、または額を決める機関が書かれているか
  • 会員の区分ごとの会費が、一覧で説明できるか
  • 年度の途中の入会・退会の扱い(月割り、日割り、返金の有無)が決まっているか
  • 値上げや臨時徴収を、総会の議題として通知する手順が決まっているか
  • 滞納への対応の段階(督促、催告、資格の停止、除名)が書かれているか
  • 寄付・募金・共益費が、会費とは別に、任意の協力として案内されているか
  • 集めたお金の予算・決算の報告と、帳簿の閲覧の方法が決まっているか

起きがちなことと、確認の問い

起きがちなこと

  • 会則に会費の額が書かれておらず、新しく入った会員に、いくら払うのかを説明できない。
  • 総会の当日に出席者の発言で会費の値上げが決まり、通知していなかった議題の決議として後から争われる。
  • 滞納者に、役員が個人的に電話や訪問で取り立てを繰り返し、人間関係が悪化する。
  • 募金を会費の請求書に上乗せして集め、会員から「強制ではないか」という不満が出る。
  • 「いかなる理由があっても返さない」と書いたが、会の都合で行事が中止になり、返金を求められる。
  • 時効にかかるほど古い滞納の請求を、数年分まとめて行おうとして、請求できる範囲で揉める。
  • 会費で集めたお金と、預かった募金や共益費が、同じ通帳で混ざり、報告のときに説明できない。

確認の問いと理由会費の定めを書く前の確認

  1. 会費は、いつ、誰が、どの機関で決めるのか。

    額を会則に書くか、総会の決議に委ねるかで、変更の手続の重さが変わるため(地方自治法260条の3、NPO法25条)。

  2. 値上げや臨時徴収を、総会の議題として事前に通知する手順があるか。

    通知していなかった事項の決議は、効力が問題になるため(地方自治法260条の17、NPO法14条の6)。

  3. 滞納のとき、誰が、どの順序で動くのか。

    役員が個人として取り立てる状況を避け、公平な扱いにするため。

  4. 年度途中の入退会で、会費をどう扱うのか。

    入る人と出る人で扱いが違うと、不公平感が出るため。

  5. 募金や共益費は、会費と分けて、任意として案内しているか。

    事実上の強制と受け取られると、争いになるため。

トラブルになったときの整理は会則・総会・会費をめぐるトラブルとよくある質問に、団体の型ごとの規約の読み方は自治会・町内会と認可地縁団体とNPO法人の定款・会則・運営規程の使い分けに分けています。

よくあるご質問

会費を払わない会員に、遅延損害金を請求できますか。

会費は金銭を支払う債務で、確定した期限を過ぎると遅れた責任が生じ(民法412条1項)、金銭を払わなかったときの損害賠償は、法定利率で定まり、債権者は損害の証明を要しません(同法419条)。会則に書いていなくても、法定利率による遅延の損害金を請求できるという整理になります。ただし、請求するかどうかは会の方針です。会則に遅延損害金や違約金を書くときは、金額が過大にならないよう注意します。会員が消費者契約法上の消費者に当たる場面では、支払期日までに払わない場合の違約金のうち年14.6パーセントを超える部分は無効です(同法9条1項2号)。

総会で会費を値上げしたいのですが、当日に提案して決めてもよいですか。

避けるほうがよいです。認可地縁団体の総会では、あらかじめ通知をした事項についてのみ決議ができ(地方自治法260条の17。規約に別段の定めがあるときを除く)、NPO法人の社員総会も同じ考え方です(NPO法14条の6)。通知の期限や記載事項は総会の開き方と議事録のページで整理しています。値上げは「会費の改定の件」として議題に書き、額の案を添えて通知します。法人格のない会でも、会則に同じ手順を書いておくと、後から争われにくくなります。

年度の途中で退会した会員に、会費を返す必要はありますか。

会則に定めがあれば、それに従います。年度単位で運営費を使う会では、「会員の都合による退会の場合は返還しない」と定める例が多くあります。ただし、「いかなる理由があっても返さない」と書くと、会の責めに帰すべき事由で活動ができなかった場合まで返さない趣旨に読めます。個人の会員との関係で消費者契約法が問題になる場面では、10条(消費者の利益を一方的に害する条項の無効)の観点でも見直しの対象になります。例外として返す場合を書いておくと、説明しやすくなります。

自治会費と一緒に、募金や共同の費用を集めてもよいですか。

集めること自体はできますが、会費とは別に案内し、任意の協力として集めるのが基本です。寄付は贈与に当たり(民法549条)、書面によらない贈与は履行の終わった部分を除いて解除できます(同法550条)。金額を一律に示して事実上の強制にしたり、応じなかった世帯に不利益を与えたりすると、争いの原因になります。認可を受けた自治会は、構成員に不当な差別的取扱いをしてはならないとされています(地方自治法260条の2第8項)。集金の袋と会計は、会費と分けます。

何年も前の滞納分は、今からでも請求できますか。

債権は、権利を行使できると知った時から5年間行使しないときは、時効によって消滅します(民法166条1項1号)。ただし、時効が完成しているかどうかは、支払期日、督促の記録、本人の支払いの申出などの事情で変わります。正確に判断するには、会費の期限、督促の日付、本人とのやり取りの記録が必要です。長期の滞納を防ぐには、期限を過ぎたら早い段階で書面で額と期限を伝え、記録に残す運用が役立ちます。

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本ページは一般的な情報提供です。個別の団体への当てはめは、団体の種類(法人格の有無、認可の有無)や会則の定めによって異なることがあります。書き方の例として紹介している内容は、会則作成の実務でよく見られる書き方を整理した例で、特定の団体や案件を示すものではありません。条文は e-Gov法令検索(法令API)で現行の規定を確認しています。参考: e-Gov法令検索 / 総務省 / 内閣府NPOポータルサイト / 個人情報保護委員会

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