このページの要点
- 定款の記載事項は14項目で、設立当初の役員も定款で定める(NPO法11条)。設立の認証の基準には、10人以上の社員を有することなどがある(12条)。
- 定款の変更は社員総会の議決を経る。目的・名称・事業の種類・社員の資格などは所轄庁の認証、資産・会計・事業年度・公告方法などは届出で足りる(25条)。
- 社員の資格に不当な条件を付けない、報酬を受ける役員は3分の1以下、宗教の教義を広めることや政治上の主義の推進等を主たる目的とせず、特定の公職の候補者・政党等の推薦・支持・反対を目的としない、が法人の要件(2条2項2号イ〜ハ)。
- 事業報告書等の備置き・閲覧・所轄庁への提出(28条・29条)の手順を運営規程に組み込み、変わりやすい細目は定款ではなく規程に置く。
結論:定款は法律が中身を指定する根本の規則。変わりやすい細目は運営規程に分ける
NPO法人(特定非営利活動法人)は、設立の認証を受けて登記することで成立します(特定非営利活動促進法13条1項。以下「NPO法」といいます)。設立のときに作る定款には、NPO法11条1項が定める14項目を記載しなければなりません。定款は、法人の目的・組織・運営の根本を定めた規則で、変更するたびに、総会の議決と、事項によっては所轄庁(都道府県または指定都市)の認証、または届出が必要になります(25条)。
そのため、会費の納め方、事務の手順、行事の運営のように変更が起きやすい細目まで定款に書き込むと、変更のたびに手続の負担が生じます。反対に、本来は定款に書くべき重要な事項を、運営規程や内規に落としてしまうと、法律の要件を満たさなくなるおそれがあります。定款・会則・運営規程の使い分けは、NPO法人の運営でもっともつまずきやすい点の一つです。
- 定款の記載事項は14項目で、社員の資格の得喪、役員、会議、資産、会計、事業年度、解散、定款の変更、公告の方法などを含む(11条1項)。
- 定款の変更は、社員総会の議決(社員総数の2分の1以上の出席と出席者の4分の3以上が原則)を経る。さらに、目的・名称・事業の種類・社員の資格・会議などの変更は所轄庁の認証が、資産・会計・事業年度・公告方法などは届出が必要(25条)。
- 社員の資格の得喪に不当な条件を付けないこと、役員のうち報酬を受ける者が役員総数の3分の1以下であること、宗教の教義を広めることや政治上の主義の推進等を主たる目的とせず、特定の公職の候補者・公職にある者・政党の推薦・支持・反対を目的としないことが、NPO法人の要件(2条2項2号イ〜ハ)。
- 事業報告書等の備置き・閲覧・所轄庁への提出が義務づけられている(28条・29条)。会則や運営規程にこの手順を組み込む。
- 法人でない団体は、名称に「特定非営利活動法人」またはこれに紛らわしい文字を使えない(4条)。
このページは、設立後に定款と運営規程をどう設計するかに絞って説明します。設立の手続の代行や申請書類の作成の手順は扱いません。団体の型の全体像は会則・規約・定款の違いと作り方、総会の運営の詳細は総会の開き方と議事録の作り方、役員の責任は役員の選任・任期・責任で扱います。
定款の記載事項14項目と、それぞれの書き方の要点
NPO法11条1項は、定款に次の事項を記載しなければならないと定めています。また、設立当初の役員は、定款で定めなければなりません(同条2項)。
定款に記載する14項目(NPO法11条1項)と書き方の要点
| 号 | 項目 | 書き方の要点 |
|---|---|---|
| 1 | 目的 | NPO法の別表に掲げる活動に該当する活動で、不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与することを目的とするものを書く(2条1項)。 |
| 2 | 名称 | 「特定非営利活動法人」を含める。法人でない団体は使えない(4条)。 |
| 3 | その行う特定非営利活動の種類及び当該事業の種類 | 活動の種類と、具体的な事業を書く。事業を増やすときは、定款の変更が必要になる。 |
| 4 | 主たる事務所及びその他の事務所の所在地 | 事務所の移転が所轄庁の変更を伴うときは認証が必要。伴わないときは届出で足りる(25条3項・6項)。 |
| 5 | 社員の資格の得喪に関する事項 | 入会・退会・除名の条件。不当な条件を付けない(2条2項1号イ)。 |
| 6 | 役員に関する事項 | 理事3人以上・監事1人以上(15条)。任期は2年以内(24条)。役員の定数の変更は、認証ではなく届出で足りる(25条3項)。 |
| 7 | 会議に関する事項 | 通常社員総会と臨時社員総会、招集の方法、議決の要件、理事会(置く場合)の定め。 |
| 8 | 資産に関する事項 | 資産の構成、管理の方法。変更は届出で足りる。 |
| 9 | 会計に関する事項 | 会計の原則(27条)に沿った会計の方法。変更は届出で足りる。 |
| 10 | 事業年度 | 事業年度の始まりと終わり。変更は届出で足りる。 |
| 11 | その他の事業を行う場合は、その種類その他の事項 | 特定非営利活動に係る事業以外の事業を行う場合に書く。会計は区分して経理する(5条)。 |
| 12 | 解散に関する事項 | 解散の事由と、残余財産の帰属すべき者。帰属先は、特定非営利活動法人その他11条3項に挙げる者から選ぶ。 |
| 13 | 定款の変更に関する事項 | 変更の議決の方法、定款に特別の定めをする場合の要件。 |
| 14 | 公告の方法 | 法人の公告の方法。変更は届出で足りる。 |
11条3項は、解散に関する事項の中に残余財産の帰属すべき者に関する規定を設ける場合、その者は、特定非営利活動法人その他、国または地方公共団体、公益社団法人または公益財団法人、私立学校法に規定する学校法人、社会福祉法に規定する社会福祉法人、更生保護事業法に規定する更生保護法人のうちから選定されるようにしなければならない、と定めています。残余財産を役員や社員で分けることは、できません。この点は、解散のときに重要になるため、会の解散・合併・役員交代時の引継ぎのページでも触れます。
定款の項目を埋めるときは、「他のNPO法人の定款の例を写す」方法がよく用いられます。ただし、写した定款の中に、自分たちの運営の実態と合わない機関や手続が残っていると、定款どおりの運営ができなくなります。たとえば、理事会を置く定款なのに、実際には理事会を開いていない、といった不一致は、後から運営上の問題になります。
設立の認証の基準:社員10人以上、暴力団等でないこと
設立しようとする者は、都道府県または指定都市の条例で定めるところにより、定款などの書類を添えた申請書を所轄庁に提出して、設立の認証を受けなければなりません(10条1項)。所轄庁は、原則として、主たる事務所が所在する都道府県の知事(その事務所が一の指定都市の区域内のみにある場合は、その指定都市の長)です(9条)。
所轄庁は、申請が次の基準に適合すると認めるときは、設立を認証しなければなりません(12条1項)。
認証の基準(NPO法12条1項)
- 設立の手続、申請書及び定款の内容が法令の規定に適合していること。
- その法人が、営利を目的としないこと、社員の資格の得喪に不当な条件を付さないこと、役員の報酬を受ける者が3分の1以下であること、宗教の教義を広めることや政治上の主義の推進等を主たる目的とせず、特定の公職の候補者・公職にある者・政党の推薦・支持・反対を目的としないことなど、2条2項に規定する団体に該当すること。
- 暴力団、または暴力団もしくはその構成員等の統制の下にある団体に該当しないこと。
- 10人以上の社員を有すること。
申請があると、所轄庁はその旨を公表し、定款などの書類を申請書の受理の日から2週間、公衆の縦覧に供します(10条2項)。認証または不認証の決定は、正当な理由がない限り、その縦覧の期間を経過した日から2か月以内(条例でこれより短い期間を定めたときは、その期間)に行われます(12条2項)。認証を受けたら、主たる事務所の所在地で設立の登記をすることで法人が成立します(13条1項)。認証を受けた日から6か月を経過しても登記をしないときは、所轄庁は認証を取り消すことができます(同条3項)。
この「社員10人以上」は、NPO法でいう「社員」の数です。NPO法人の「社員」は、一般に、社員総会で議決権を持つ会員を指して使われます。通常の言葉の「社員」(会社の従業員)とは意味が違います。定款では、議決権を持つ会員(正会員)を「社員」とし、議決権を持たない賛助会員などを社員としない、と区別することが一般的です。社員の数や区分を定款にどう書くかは、後の総会の運営、会費の決め方、解散の決議の要件に影響するため、設立前に整理しておく必要があります。
定款と会則・運営規程の分け方:何を定款に置き、何を規程に落とすか
NPO法25条は、定款の変更について、事項によって手続を分けています。分け方を知ると、定款に何を書き、何を運営規程に回すかの判断がしやすくなります。
定款変更の手続の違い(NPO法25条)
| 手続 | 対象となる事項 | 必要なこと |
|---|---|---|
| 所轄庁の認証が必要 | 目的、名称、事業の種類(1号から3号)、所轄庁の変更を伴う事務所の所在地、社員の資格の得喪、役員に関する事項(役員の定数に係るものを除く)、会議、その他の事業、残余財産の帰属すべき者に係る解散の事項、定款の変更に関する事項(25条3項) | 社員総会の議決を経たうえで、議事録の謄本と変更後の定款を添付して申請(4項)。認証を受けないと効力を生じない。 |
| 所轄庁への届出で足りる | 上記以外の事項(資産、会計、事業年度、公告の方法、役員の定数、所轄庁の変更を伴わない事務所の所在地の変更など) | 社員総会の議決を経たうえで、遅滞なく議事録の謄本と変更後の定款を添えて届け出る(6項)。 |
| 登記に関わる変更 | 登記事項に変更があるもの | 変更に係る登記をしたときは、遅滞なく登記事項証明書を所轄庁に提出(7項)。 |
いずれの手続でも、定款の変更には、社員総会の議決が必要です。議決の要件は、社員総数の2分の1以上が出席し、その出席者の4分の3以上の多数でするのが原則で、定款に特別の定めがあるときは、その定めによります(25条1項・2項)。ここで、定款に「特別の定め」を置くかどうかが、運営の設計のポイントになります。
こうした手続の違いを踏まえると、運営規程に落とすべき細目は、定款の記載事項に当たらない事項、または記載事項の枠の中で細かく変わりやすい部分です。たとえば、次のような分け方があります。
書き方の例(一般的な例) 定款と運営規程の分け方(一般的な例)
会費の額
理由会費の額を改定するたびに、定款の変更の手続が必要になることを避けられる。
理事会の運営
理由細目の変更に、総会の議決と、場合によっては所轄庁の認証・届出の手続を重ねなくて済む。
事務所の所在地
理由移転のたびに認証が必要になるのか、届出で済むのかが変わる。事前の確認で手続を軽くできる。
社員の資格
理由社員の資格の得喪の変更は認証が必要な事項(25条3項)。規程でこっそり変えると、定款と食い違う。
運営規程の名前は、法律上の決まりではなく、「会計規程」「理事会運営規程」「会員規程」「個人情報保護規程」のように、事項別に分けて作る例が多くあります。それぞれの規程の制定・改廃を、誰が(理事会か社員総会か)決めるのかを、定款に書いておくと運用が安定します。
社員の資格・役員・宗教や政治に関する要件:定款に反映する
NPO法2条2項は、NPO法人であるための要件として、次の点を挙げています。これらは定款の内容に直接関わるため、設立時だけでなく、定款を変更するときにも確認が必要です。
NPO法人の要件(NPO法2条2項)と定款への反映
- 2条2項1号営利を目的としないこと
- 同号イ社員の資格の得喪に関して、不当な条件を付さないこと
- 同号ロ役員のうち報酬を受ける者の数が、役員総数の3分の1以下であること
- 2条2項2号イ宗教の教義を広め、儀式行事を行い、信者を教化育成することを主たる目的としないこと
- 同号ロ政治上の主義を推進し、支持し、またはこれに反対することを主たる目的としないこと
- 同号ハ特定の公職の候補者もしくは公職にある者または政党を推薦し、支持し、またはこれらに反対することを目的としないこと
- 3条特定の個人または法人その他の団体の利益を目的として事業を行ってはならない。特定の政党のために利用してはならない
「社員の資格の得喪に関して、不当な条件を付さないこと」は、会員になれる人を、不当に限定しない、という意味です。たとえば、会員の資格を、特定の会社の関係者だけに限る、紹介者がいなければ入会できない、といった定めは、内容によっては要件に反する可能性があります。どのような条件が「不当」にあたるかは、団体の目的や活動に照らして判断されます。定款を書く段階で、所轄庁の窓口に確認しておくことが有益です。
役員の報酬に関する要件は、役員のうち報酬を受ける者の数が役員総数の3分の1以下であること、と数で定められています。このほかに、役員の親族については、それぞれの役員について、配偶者または三親等以内の親族が一人を超えて含まれ、または、その役員と配偶者及び三親等以内の親族が役員の総数の3分の1を超えて含まれることになってはならない、と定められています(21条)。役員の欠格事由には、拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わった日またはその執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者などが挙げられています(20条)。役員の詳細は、役員の選任・任期・責任のページで扱います。役員やボランティアの働き方、報酬と社会保険の扱いは、このサイトでは取り上げません。
事業報告書等の備置き・閲覧・提出を、運営規程にどう組み込むか
NPO法人は、毎事業年度の初めの3か月以内に、前事業年度の事業報告書、計算書類(活動計算書と貸借対照表)、財産目録、年間役員名簿、そして前事業年度の末日における社員のうち10人以上の氏名(法人にあっては、その名称及び代表者の氏名)及び住所または居所を記載した書面(「事業報告書等」)を作成しなければなりません。これらは、作成の日から起算して5年が経過した日を含む事業年度の末日までの間、事務所に備え置きます(28条1項)。
これとは別に、NPO法人は、前事業年度の貸借対照表の作成後遅滞なく、定款で定める方法(官報、日刊新聞紙、電子公告など)により、貸借対照表を公告しなければなりません(28条の2第1項)。官報または日刊新聞紙に掲載する方法を定款で定めた法人は、貸借対照表の要旨を公告すれば足ります(同条2項)。電子公告を選ぶ場合は、貸借対照表の作成の日から起算して5年が経過した日を含む事業年度の末日までの間、継続して公告する必要があります(同条4項)。どの方法で公告するかは、定款の「公告の方法」(11条1項14号)に書いておきます。
事業報告書等の作成から提出・公開までの流れ
- 事業年度の終了事業年度が終わったら、帳簿を締め、事業報告書、計算書類、財産目録、年間役員名簿、社員名簿(10人以上)の書面を作成する(28条1項)。
- 事務所への備置き作成した事業報告書等を、作成の日から起算して5年が経過した日を含む事業年度の末日まで事務所に備え置く(28条1項)。役員名簿と定款等も事務所に備え置く(28条2項)。
- 閲覧の対応社員その他の利害関係人から事業報告書等、役員名簿、定款等の閲覧の請求があった場合は、正当な理由がある場合を除いて閲覧させる(28条3項)。
- 所轄庁への提出毎事業年度一回、事業報告書等を所轄庁に提出する(29条)。提出の方法は、都道府県または指定都市の条例による。
- 所轄庁での公開所轄庁は、提出を受けた事業報告書等(過去5年間のもの)、役員名簿、定款等について閲覧または謄写の請求があったときは、個人の住所または居所に係る部分を除いて閲覧させる(30条)。
手続の期限や様式は、都道府県または指定都市の条例と、所轄庁の案内に従います。
この流れは法律で決まっているため、運営規程では、「誰が」「いつまでに」作成し、「誰が」所轄庁に提出するかを決めておくことが中心になります。たとえば、会計担当の理事が計算書類を作り、事務局長が事業報告書等を取りまとめて社員総会に提出し、理事長名で所轄庁に提出する、といった役割分担です。閲覧の請求への対応は、「正当な理由がある場合を除いて閲覧させる」という義務ですから、請求を受けた担当者、対応の期限、閲覧できる書類の範囲を決めておくと、対応がぶれません。
会則の例事業報告書等に関する運営規程の例
- 事務局は、毎事業年度終了後、速やかに、事業報告書、計算書類及び財産目録、年間役員名簿並びに社員名簿の書面を作成し、理事長の確認を得る。
- 前項の書類は、法令の定める期間、主たる事務所に備え置く。
- 社員その他の利害関係人から事業報告書等、役員名簿又は定款等の閲覧の請求があったときは、正当な理由がある場合を除き、事務局において閲覧に供する。閲覧に供する書類の範囲は、法令の定めるところによる。
- 事業報告書等は、毎事業年度一回、所轄庁に提出する。提出は、理事長の名で、事務局が行う。
社員名簿や役員名簿に含まれる個人情報の取扱いは、会員名簿・連絡網・写真の扱いのページと合わせて整えます。
通常社員総会と議決:定款に書く会議の骨組み
NPO法では、理事は、少なくとも毎年一回、通常社員総会を開かなければなりません(14条の2)。社員総会の招集の通知は、社員総会の日より少なくとも5日前に、その目的である事項を示し、定款で定めた方法に従ってしなければなりません(14条の4)。また、社員の全員が書面または電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、その提案を可決する旨の社員総会の決議があったものとみなされる決議の省略の規定があります(14条の9)。
定款・運営規程に関わる主な議決の要件
- 定款の変更社員総数の2分の1以上が出席し、出席者の4分の3以上の多数(定款に特別の定めがあれば別)NPO法25条1項・2項
- 通常社員総会少なくとも毎年一回開催NPO法14条の2
- 総会の招集の通知日より少なくとも5日前に、目的である事項を示し、定款で定めた方法によるNPO法14条の4
- 決議の省略社員の全員が書面または電磁的記録で同意したとき、決議があったものとみなすNPO法14条の9
総会の詳細な運営と議事録の書き方は、総会の開き方と議事録の作り方のページで扱います。
定款には、総会の定足数や議決の割合について、「特別の定め」を置くことができる部分と、法律が最低限を定めている部分があります。定款の変更の議決は、25条2項の原則に加え、定款に特別の定めをして要件を調整できますが、特別の定めを置く場合は、要件を緩めすぎて、少数の社員だけで定款を変えられるような定めにならないよう注意します。
名称の使用制限と、定款・運営規程づくりで起きがちなこと
NPO法4条は、特定非営利活動法人以外の者は、その名称中に「特定非営利活動法人」またはこれに紛らわしい文字を用いてはならないと定めています。設立前の任意団体が、将来の法人化を見越して「特定非営利活動法人」を名乗ることはできません。法人化を目指す任意団体は、会員募集の案内に、法人でない団体であることを書いておく必要があります。法人でない会の位置づけは、法人でない同好会・サークル・PTAの位置づけのページで説明しています。
よくある行き違い
- 他のNPO法人の定款を写したため、実際には置いていない機関(理事会など)が定款に残っている。
- 会費の額や会議の細目を定款に書き込み、改定のたびに定款変更の手続が必要になる。
- 目的や事業の種類を変更したのに、所轄庁の認証を受けず、定款の変更が効力を生じていない。
- 事務所を移転したが、所轄庁への届出または認証の要否を確かめず、手続が漏れている。
- 事業報告書等を作成・備置きしていない、または所轄庁への提出が遅れる。
- 社員名簿(社員のうち10人以上の氏名と住所を記載した書面)を毎事業年度作成することを忘れ、事業報告書等がそろわない。
- 運営規程と定款が食い違い、どちらが優先するかを役員が説明できない。
- 社員の資格に、紹介者の要件などの条件を付け、不当な条件にあたるのではないかと指摘される。
定款は一度作れば終わりではなく、活動の変化に合わせて見直す文書です。見直しの際は、総会の議決の要件、所轄庁の認証・届出の要否、登記の変更の要否を順に確認します。手続の細目は、内閣府のNPOポータルサイトや、所轄庁の案内で最新の情報を確かめます。
よくあるご質問
NPO法人の定款には、何を書かなければなりませんか。
NPO法11条1項は、目的、名称、行う特定非営利活動の種類と事業の種類、事務所の所在地、社員の資格の得喪に関する事項、役員に関する事項、会議に関する事項、資産に関する事項、会計に関する事項、事業年度、その他の事業を行う場合はその事項、解散に関する事項、定款の変更に関する事項、公告の方法の14項目を挙げています。設立当初の役員は、定款で定めます(同条2項)。
定款を変えるとき、いつも所轄庁の認証が必要ですか。
いつも必要なわけではありません。NPO法25条3項が列挙する事項(目的、名称、事業の種類、所轄庁の変更を伴う事務所の所在地、社員の資格の得喪、役員に関する事項のうち定数に係るものを除くもの、会議、その他の事業、残余財産の帰属すべき者に係る解散の事項、定款の変更に関する事項)の変更は認証が必要で、それ以外は、社員総会の議決を経たうえで、所轄庁への届出で足ります(同条6項)。
定款と運営規程は、どう使い分けますか。
定款はNPO法が記載事項を定める根本の規則で、変更の手続が重くなります。会費の額、事務の手順、行事の運営など、変わりやすい細目は、定款に枠だけを書いて、運営規程に落とすと、改定の負担が軽くなります。ただし、社員の資格の得喪のように定款の記載事項そのものである事項は、規程だけで変えてはいけません。誰がどの機関で規程を決めるのかを、定款に書いておくと運用が安定します。
NPO法人になるには、社員は何人必要ですか。
NPO法12条1項4号は、設立の認証の基準の一つとして、10人以上の社員を有することを挙げています。設立の認証の申請書には、社員のうち10人以上の氏名と住所または居所を記載した書面を添えます(10条1項3号)。ここでいう「社員」は、社員総会で議決権を持つ会員を指すのが一般的で、会社の従業員のことではありません。
事業報告書などは、誰でも見ることができますか。
NPO法人は、社員その他の利害関係人から、事業報告書等、役員名簿、定款等の閲覧の請求があった場合には、正当な理由がある場合を除いて閲覧させなければなりません(28条3項)。また、所轄庁も、提出を受けた事業報告書等(過去5年間のもの)、役員名簿、定款等について、閲覧または謄写の請求があったときは、個人の住所または居所に係る部分を除いて閲覧させます(30条)。
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本ページは一般的な情報提供です。個別の団体への当てはめは、団体の種類(法人格の有無、認可の有無)や会則の定めによって異なることがあります。書き方の例として紹介している内容は、会則作成の実務でよく見られる書き方を整理した例で、特定の団体や案件を示すものではありません。条文は e-Gov法令検索(法令API)で現行の規定を確認しています。参考: e-Gov法令検索 / 総務省 / 内閣府NPOポータルサイト / 個人情報保護委員会