このページの要点
- 解散の決議は、認可地縁団体が総構成員の4分の3以上(地方自治法260条の21)、NPO法人が総社員の4分の3以上(特定非営利活動促進法31条の2)。規約・定款に別段の定めがあればそれによる。
- 残余財産の行き先は型で違う。NPO法人は定款の帰属先ほか(同法32条)、認可地縁団体は規約の指定ほか(地方自治法260条の31)。法人でない会は会則に書く。
- 清算は、解散の決議、清算人の就任、債権者への公告と催告、債務の弁済、残余財産の引渡し、清算の結了の届出の順に進む。
- 役員交代の引継ぎは、会則と決議、会計、名簿、契約、鍵、アカウント、進行中の案件を一覧にし、前任と後任が署名した書面を会として保管する。
結論:「やめ方」と「渡し方」は、会則に先に書いておく。型で手続も財産の行き先も変わる
会員が減って活動を続けられない。役員のなり手がいない。目的を達成したので区切りをつけたい。会が解散を考える理由はさまざまですが、いざ話が出ると、誰が決めるのか、集めたお金や備品はどうなるのか、借りている会場や契約はどうするのか、と問いが一度に押し寄せます。もう一つの場面が、役員や会長が代わるときです。こちらは毎年のように起きますが、引継ぎの方法が決まっていない会では、帳簿や通帳、名簿、鍵、連絡手段のアカウントが前任者の手元に残り、運営が止まったり、トラブルの種になったりします。
この二つはまったく別の話に見えて、どちらも「会のものを、会の意思で、誰かに渡す」という手続です。解散のときは財産と記録を、引継ぎのときは役割に付随する物と情報を、正しい相手に渡す。この観点から、解散・合併の決議と財産の帰属、清算の手続、役員交代時の引継ぎ書を、順に整理します。
先に結論を一覧にします
- 認可地縁団体の解散の決議は総構成員の4分の3以上の賛成が必要で(地方自治法260条の21)、NPO法人は総社員の4分の3以上の賛成が必要です(特定非営利活動促進法31条の2)。いずれも、規約・定款に別段の定めがあれば、それによります。
- 残余財産の行き先は型で違います。NPO法人は定款で定めた帰属先に帰属し、定款に規定がないときは所轄庁の認証を得て国または地方公共団体に譲渡できるほか、処分されない財産は国庫に帰属します(同法32条)。認可地縁団体は規約で指定した者に帰属し、指定がなければ総会の決議を経て市町村長の認可を得たうえで類似目的のために処分でき、残りは市町村に帰属します(地方自治法260条の31)。
- 法人でない同好会やサークルには、解散と清算を直接定めた法律の条文がありません。会則に、解散の決議の方法と、残余財産の行き先を書いておくことが、唯一の備えになります。
- 民法上の組合には、解散事由と清算の規定があります(民法682条・685条・688条)。組合と評価される会では、残余財産は各組合員の出資の価額に応じて分割するのが原則です(同法688条3項)。
- 役員交代の引継ぎは、帳簿・通帳・印鑑・名簿・鍵・契約書類・アカウント・議事録の8つを、一覧にして双方が署名して渡すのが基本です。引継ぎ書の様式を会則の附則や細則に入れておきます。
会計の引継ぎの細目は会のお金の管理のページ、名簿の引継ぎ時の個人情報の注意は会員名簿・連絡網・写真の扱いのページ、法人でない会の法的な位置づけは同好会・サークル・PTAの法的な位置づけのページにまとめています。このページでは、解散・合併の決議、財産の帰属、清算、引継ぎ書に絞ります。
解散だけが選択肢ではない:休止・縮小・合併・事業の整理
会員が減ったとき、すぐに解散を決めるのではなく、選択肢を並べて比べると、会員の納得が得られやすくなります。次の表は、一般的な選択肢と、その特徴を整理したものです。
会の存続が難しいときの選択肢
| 選択肢 | 内容 | 決めておくこと | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 活動の縮小 | 行事の数、会費、役員の数を減らして続ける | 縮小後の会則の変更、役員の負担の再配分 | 会則の変更は総会の決議が必要(型によっては認可や認証が要る) |
| 一定期間の休止 | 活動を止めるが、会としては存続させる | 休止の期間、休止中の会費、口座と帳簿の管理者、再開の条件 | 休止中も口座と記録の管理が必要。無期限の休止は事実上の解散になりやすい |
| 他の会との合併 | 別の会と一つになる。権利義務は存続側が引き継ぐ | 合併の決議、債権者への手続、財産の引継ぎ、会則の統合 | 認可地縁団体は同一市町村内の認可地縁団体との合併に限る。NPO法人は所轄庁の認証が必要 |
| 活動の一部を他の団体に引き継ぐ | 行事や事業のみを他の団体に譲り、会は解散する | 引継ぐ範囲、備品の扱い、費用の精算 | 財産の譲渡は、会則や総会の決議の定めに従う。残余財産の帰属先の制限に注意 |
| 解散と清算 | 会を終了し、債務を整理し、残った財産を帰属先に渡す | 解散の決議、清算人、債権者への手続、残余財産の行き先 | 型により、公告・届出・認可など必要な手続が変わる |
休止という選択肢は、一見穏やかですが、実務では「止めたまま口座と記録が放置される」状態になりがちです。休止するなら、口座を管理する人と、再開の可否を判断する時期(たとえば1年後の総会)を決め、議事録に残します。期限のない休止は、解散と同じ問題(財産の帰属、記録の保存、会員への説明)を先送りしているにすぎません。
解散の決議と事由:団体の型ごとに要件が違う
解散するための決議の方法は、型によって条文の有無と内容が異なります。まず、全体を一覧にします。
解散・合併の決議の要件(現行の規定)
- 任意の同好会・サークル(法人でない社団)会則の定めによる解散と清算を直接定めた条文はない。会則に決議の方法を書く
- 民法上の組合総組合員の同意ほか民法682条(目的事業の成功またはその不能、存続期間の満了、解散事由の発生、総組合員の同意)
- 認可地縁団体の解散総構成員の4分の3以上の賛成地方自治法260条の21。規約に別段の定めがあればそれによる
- 認可地縁団体の合併総構成員の4分の3以上+市町村長の認可地方自治法260条の39。規約に別段の定めがあればそれによる(決議の割合)
- NPO法人の解散総社員の4分の3以上の賛成特定非営利活動促進法31条の2。定款に別段の定めがあればそれによる
- NPO法人の合併社員総数の4分の3以上の議決+所轄庁の認証同法34条1項〜3項。定款に特別の定めがあればそれによる(議決の割合)
解散の決議の「総構成員」「総社員」の4分の3は、出席者の4分の3ではありません。委任状や書面による表決の扱いは、型ごとの総会の規定(認可地縁団体は地方自治法260条の18、NPO法人は特定非営利活動促進法14条の7)に従います。
解散の決議は、通常の議案よりも重く、失敗すると後で効力を争われやすい議案です。総会の招集通知には、解散の議案であることを明示し、規約に別段の定めがない限り、通知した事項以外は決議できません(認可地縁団体の場合、地方自治法260条の17)。出席者の数や委任状の取扱いも、議事録に正確に残します。総会の手順は総会の開き方と議事録のページで整理しています。
解散の事由は決議だけではありません。認可地縁団体は、規約で定めた解散事由の発生、破産手続開始の決定、認可の取消し、総会の決議、構成員が欠けたこと、合併(合併により当該団体が消滅する場合)によって解散します(地方自治法260条の20)。NPO法人は、社員総会の決議、定款で定めた解散事由の発生、目的とする特定非営利活動に係る事業の成功の不能(所轄庁の認定が必要)、社員の欠亡、合併、破産手続開始の決定、設立の認証の取消しによって解散します(特定非営利活動促進法31条1項・2項)。NPO法人の清算人は、総会の決議、定款の解散事由、社員の欠亡、破産手続開始の決定によって解散した場合には、遅滞なくその旨を所轄庁に届け出る必要があります(同条4項)。
残余財産の行き先:会員に分けられるのか、誰に帰属するのか
解散のとき、最も揉めやすいのが、残った財産の扱いです。「会費で買った備品は会員に分ける」「口座の残高を最後の会員で山分けする」と考える会は多いのですが、型によっては、会員に分配できません。
型ごとに比べる:解散後の残余財産の行き先
任意の同好会・サークル
会則・総会の決議による
- 法律に直接の定めがないため、会則に帰属先を書く
- 会員に分配するのか、他の団体に寄付するのか、目的に沿った使い道にするのかを決める
- 行事の預り金、募金など、目的が決まったお金は、目的に沿って返還または引渡し
民法上の組合
民法688条3項
- 残余財産は、各組合員の出資の価額に応じて分割する
- 清算は、総組合員が共同して、または選任した清算人が行う(民法685条)
認可地縁団体
地方自治法260条の31
- 規約で指定した者に帰属する
- 指定がなければ、代表者は、総会の決議を経て市町村長の認可を得て、団体の目的に類似する目的のために処分できる
- 処分されない財産は、市町村に帰属する
NPO法人
特定非営利活動促進法11条3項・32条
- 定款で定めた帰属先に帰属する。帰属先は、NPO法人その他、国または地方公共団体、公益社団法人または公益財団法人、学校法人、社会福祉法人、更生保護法人から選定する(11条3項)
- 定款に規定がないときは、所轄庁の認証を得て国または地方公共団体に譲渡できる
- 処分されない財産は国庫に帰属する(32条)
NPO法人の残余財産は、構成員に分配できません。設立の時点で定款に帰属先を書く必要があることも、運営規程を作る段階から意識しておく点です。
法人でない会の場合、残余財産の帰属を会則に書いていなかったときは、最後の総会で決議することになりますが、会員の間で意見が割れやすい場面です。事前に会則へ「残余財産は、総会の決議により、本会の目的に近い目的の団体に寄付する」といった定めを置いておくと、解散時の争いを避けられます。ただし、組合と評価される会では、民法の分割の原則(出資の価額に応じて分ける)が出発点になるため、会則の定めと食い違わないか確認します。
会則の例解散・残余財産
- 本会は、総会において、会員総数の4分の3以上の賛成により解散を決議することができる。
- 解散した場合の清算人は、会長とする。ただし、総会が別の者を選任したときは、その者とする。
- 清算人は、本会の債務を弁済し、預り金その他返還すべきものを返還した後、残余財産を、総会の決議により、本会の目的に類似する目的を持つ団体に寄付する。
- 前項の残余財産は、会員に分配しない。
- 清算人は、清算が終わったときは、その経過と結果を会員に報告する。
- 本会の帳簿、議事録、会員名簿その他の記録は、清算の結了の日から○年間保存する。名簿は、保存の必要がなくなった後、遅滞なく消去する。
会員への分配を認めるかどうかは、会の成り立ちによります。分配を認める場合も、割合の基準(出資額、在籍期間など)を会則に書いておきます。この例は、分配しない型を示しています。
清算の手続:債務の整理、公告、届出
解散しても、すぐに会がなくなるわけではありません。解散した会は、清算の目的の範囲内で、清算が終わるまで存続するとみなされます(認可地縁団体につき地方自治法260条の23、NPO法人につき特定非営利活動促進法31条の4)。清算人が、現務を終わらせ、債権を取り立て、債務を弁済し、残った財産を引き渡す、という流れになります(地方自治法260条の27、NPO法31条の9)。
清算の流れ(認可地縁団体・NPO法人に共通する骨格)
- 解散の決議と通知総会で解散を決議し、議事録を作る。NPO法人は、遅滞なく所轄庁に解散を届け出る(NPO法31条4項)。
- 清算人の就任認可地縁団体は原則として代表者、NPO法人は原則として理事が清算人になる。規約・定款に別段の定めがあるか、総会で別の者を選任した場合は、その者になる(地方自治法260条の24、NPO法31条の5)。
- 債権者への公告と催告清算人は遅滞なく、公告をもって債権者に債権の申出を催告する。期間は2か月以上とし、期間内に申出がないときは清算から除斥される旨を付記する。判明している債権者には個別に催告する。公告は官報に掲載する(地方自治法260条の28、NPO法31条の10)。
- 債権の取立て・債務の弁済未収の会費、預け金、貸付金などを回収し、会場費、物品代、立替金などを支払う。期間後に申出があった債権者は、弁済後に残った財産に対してのみ請求できる(地方自治法260条の29、NPO法31条の11)。
- 債務超過の場合は破産手続財産で債務を完済できないことが明らかになったときは、清算人は直ちに破産手続開始の申立てをする(地方自治法260条の30、NPO法31条の12)。
- 残余財産の引渡し規約・定款・総会の決議などに従い、帰属先に引き渡す(地方自治法260条の31、NPO法32条)。
- 清算の結了の届出認可地縁団体は市町村長に、NPO法人は所轄庁に、清算が結了した旨を届け出る(地方自治法260条の33、NPO法32条の3)。
債権者への公告は官報に掲載する必要があり、手続の期間にも制約があるため、解散を決める前にスケジュールを確認します。法人でない会の清算は、同じ流れを会則で準用する形にしておくと整理しやすくなります。
法人でない会でも、債権者への対応は避けられません。会場の使用料、物品のリース、保険料、印刷費など、会の名前または役員の名前で負っている債務を洗い出し、支払の見込みを立てたうえで解散を決めます。債務が残るまま解散すると、役員個人に請求が向かうおそれがあります(役員の責任の見通しは役員の選任・任期・責任のページ)。解散の決議の前に、債務の一覧を作成して総会に報告するのが実務的です。
解散のときに見落とされやすい項目も確認しておきます。会費の前納を受けている場合は、解散後の期間に対応する分の返還が必要か、会則を確認します。行事のために集めた預り金や募金は、その目的で使い、残額は集めた先に返すか、事前に周知した使い道に充てます。助成金や補助金を受けている場合は、その交付の条件に従って精算します。契約中の会場の予約、物品の貸借、保険は、解約の期限と違約の有無を確認し、解散の日に合わせて整理します。
他の会との合併:認可地縁団体とNPO法人の入口
解散以外の道として、他の会と一つになる合併があります。法律上の合併の手続が定められているのは、認可地縁団体とNPO法人です。法人でない会どうしの統合は、法律に特別の定めがないため、会員の意思の合致と、財産の引継ぎ、会則の統合を、それぞれの総会の決議で整えていきます。
認可地縁団体は、同一市町村内の他の認可地縁団体と合併できます(地方自治法260条の38)。合併しようとするときは総会の決議が必要で、その決議は総構成員の4分の3以上の多数でする必要があります(規約に別段の定めがあれば別)。合併は市町村長の認可を受けなければ効力を生じません(同法260条の39)。認可の通知から2週間以内に財産目録を作成し、債権者に対して合併に異議があれば一定の期間内に述べるよう公告・催告します(同法260条の40)。
NPO法人は、他のNPO法人と合併できます(特定非営利活動促進法33条)。合併には社員総会の議決(社員総数の4分の3以上)と所轄庁の認証が必要で(同法34条)、認証の通知から2週間以内に貸借対照表と財産目録を作成し、債権者への公告・催告を行います(同法35条)。合併によって存続する法人または設立する法人は、消滅した法人の一切の権利義務を承継します(同法38条)。
合併は、解散より手続は増えますが、会の活動と財産が引き継がれる点で、会員の理解を得やすい場合があります。規約・会則の違い(会費、役員の任期、会員資格)を統合する作業は大きな負担になるため、合併前に両者の会則を並べ、違いの一覧を作ります。会則の全体像は会則・規約・定款の違いと作り方のページで扱っています。
役員交代時の引継ぎ書:渡すものを一覧にして、双方が署名する
解散ほどではないものの、会の運営で最も頻繁に起きるのが、役員や会長の交代です。引継ぎの質が悪いと、後任者が会の約束事を知らないまま、同じ失敗を繰り返したり、前任者の手元にある会員情報が流出したりします。引継ぎ書は、渡す物と情報を一覧にして、前任と後任が確認し、署名した書面を会として保管するものです。
確認リスト:引継ぎ書に載せる項目
- 会則と決議の綴り:現行の会則、改正の経緯、総会・役員会の議事録、重要な決議の一覧。
- 会計:現金・通帳・印鑑・カード、帳簿、領収書、決算書、未精算の立替・未収・預り金の一覧(詳細は会のお金の管理のページの引継ぎの項)。
- 会員名簿と連絡先:名簿の最新版、連絡網、会員への連絡手段(メール、グループなど)の管理者権限。名簿は会のものであり、前任者は手元の写しを廃棄する。
- 契約と届出:会場の使用契約、保険、物品の貸借、業者との契約の一覧と期限。行政への届出が必要な団体は、代表者・役員の変更の届出の状況。
- 鍵・備品・資料:集会所や倉庫の鍵、備品の台帳、行事の道具、過去の行事の資料や写真の保管場所。
- オンラインのアカウント:メール、SNS、ホームページ、グループ、クラウドの共有フォルダの管理者権限。パスワードは役員間で安全に共有し、前任者の個人のアカウントを会の連絡に使っていた場合は、会の名義のアカウントに移す。
- 年間の予定表と進行中の案件:これから半年の行事、依頼中の業者、会員から受けた相談や苦情の経過。
- 署名と保管:引継ぎ書を2通作り、前任と後任が署名して、1通は会として保管する。引継ぎの結果は、次の総会または役員会に報告する。
認可地縁団体は、代表者などの告示された事項に変更があったときは、市町村長に届け出ます(地方自治法260条の2第11項)。NPO法人は、役員の氏名または住所もしくは居所に変更があったときは、遅滞なく、変更後の役員名簿を添えて所轄庁に届け出ます(特定非営利活動促進法23条1項)。新たに就任した役員については、就任承諾などの書類も提出します(同条2項)。登記が必要な事項がある場合は、登記の変更も確認項目に加えます。これらの届出の期限や様式は、所轄の窓口の案内で確認します。
書き方の例(一般的な例) 引継ぎに関する会則の定め
引継ぎの義務
理由引継ぎが任意だと、辞める人の善意に頼ることになります。会則の義務にしておけば、後任が請求する根拠になります。
手元の写し
理由名簿などの個人情報が、元役員の手元に残り続けることを避けます(個人情報保護法22条は、利用する必要がなくなった個人データの消去に努めることを求めています)。
アカウントの管理
理由個人のアカウントで運営すると、その人が辞めた途端に連絡手段が失われます。管理者を複数にすると、交代が円滑になります。
起きがちなこと:解散と引継ぎの場面別の落とし穴
起きがちなこと
- 解散を決めずに、活動だけ止まる。口座と記録が放置され、会費の請求や会場の契約が続いてしまう。休止の期限と管理者を決めるか、解散の議案にする。
- 残った会費を、最後の出席者で分ける。型によっては分配できず、会則に帰属先の定めがあるときは違反になる。残余財産の行き先は、先に会則で決める。
- NPO法人なのに、解散の届出や清算結了の届出をしていない。活動をやめたつもりでも、法人は存続し、事業報告書等の提出義務などが残る。解散から清算結了までの届出を、日程に入れて進める。
- 債権者への公告を省略する。会場の使用料や業者への支払が残っていることを見落とし、後から請求される。債務の一覧を作り、公告と催告の手続を踏む。
- 前任者が、名簿や帳簿を持ったまま連絡がつかなくなる。引継ぎ書がなく、会の財産と記録の所在が分からない。引継ぎを会則の義務にし、署名した書面を会が保管する。
- 個人のアカウントで運営していて、役員交代で連絡手段が消える。会員に周知した連絡先が使えなくなる。会の名義のアカウントに移し、管理者を複数にする。
- 引継ぎの場で、不明な点を黙って引き受ける。後で問題が出たとき、前任と後任のどちらの責任か曖昧になる。引継ぎ書に、確認した事項と、確認できなかった事項を分けて書く。
解散も引継ぎも、会の意思で、手続を踏んで行えば、会員にとっても外部にとっても納得のいく終わり方・渡し方になります。会が続いているうちに、会則へ「やめ方」「渡し方」を書いておくことが、最も効果のある準備です。会員の間で意見が割れたときの整理は、会則・総会・会費をめぐるトラブルのページにまとめています。
よくあるご質問
同好会を解散するとき、会費の残りを会員で分けてもよいですか。
法人でない同好会やサークルの残余財産については、法律に直接の定めがありません。会則に帰属先の定めがあればそれに従い、なければ総会で決議します。ただし、民法上の組合と評価される会では、残余財産は各組合員の出資の価額に応じて分割するのが原則です(民法688条3項)。認可地縁団体の残余財産は、規約で指定した者に帰属します(地方自治法260条の31)。NPO法人の残余財産は、定款で定めた帰属先に帰属し、構成員に分配することはできません(特定非営利活動促進法11条3項・32条)。
認可を受けた自治会を解散するには、どのような決議が必要ですか。
認可地縁団体は、総構成員の4分の3以上の賛成がなければ、解散の決議をすることができません。ただし、規約に別段の定めがあるときは、それによります(地方自治法260条の21)。解散後は、清算人(原則として代表者)が、債権者への公告と催告、債務の弁済、残余財産の引渡しを行い、清算が結了したら市町村長に届け出ます(同法260条の24、28、31、33)。
NPO法人が解散するとき、残った財産は誰に渡せますか。
定款で定めた帰属先に帰属します。定款に帰属先を定める場合は、NPO法人その他、国または地方公共団体、公益社団法人または公益財団法人、学校法人、社会福祉法人、更生保護法人のうちから選定されるようにします(特定非営利活動促進法11条3項)。定款に規定がないときは、清算人は所轄庁の認証を得て国または地方公共団体に譲渡でき、処分されない財産は国庫に帰属します(同法32条)。
役員が交代するとき、引継ぎ書にどんなことを書けばよいですか。
渡す物と情報を、帳簿・通帳・印鑑・名簿・鍵・契約書類・アカウント・議事録の種類ごとに一覧にし、現金や残高は金額を記して、前任と後任が署名します。未精算の立替や預り金、進行中の案件も載せます。署名した書面は2通作り、1通を会として保管します。会則に引継ぎの義務を書いておくと、後任が請求する根拠になります。
他の会と合併することはできますか。
認可地縁団体は、同一市町村内の他の認可地縁団体と合併でき、総会の決議(総構成員の4分の3以上)と市町村長の認可が必要です(地方自治法260条の38・39)。NPO法人は、他のNPO法人と合併でき、社員総会の議決(社員総数の4分の3以上)と所轄庁の認証が必要です(特定非営利活動促進法33条・34条)。法人でない会どうしの統合には、法律の定めがないため、双方の総会の決議と、財産の引継ぎ、会則の統合の合意で進めます。
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